繋×6 ページ6
『で、こいつらを公園のベンチに座らせて終わりか?』
機械に文字を浮かべて問いかけるヘルメットの存在に、折原さんは「そ」とだけ声を出した。
ニコニコしながら財布の中の札束を数えている。
「本当ならサラ金とかに連れてって色々したかったんだけど、正直、もう飽きた」
『飽きたってお前』
あの後、折原さんは「そろそろ時間だ」と言って、倒れた女性たちをスーツケースに詰めだした。
「手伝って」と笑いかけられ手を貸したところ、このヘルメットを被った漆黒の存在が入ってきた。
折原さんは何も知らせずに公園の中までスーツケースを運ばせて、私たちはお互い自己紹介もしないまま怪しい行動に加担させられている。
「なあ運び屋、あんたはあの世って信じるかい?」
『なんだ突然』
「いいから、これも仕事のうちだと思って答えてくれ」
『死ねば解る』
私の頭は妙にボンヤリしていた。
ヘルメットの存在からただならぬ気配を感じても、そんなものには関心すら湧かなかった。
夜の街は暗い。けれど、空を見れば月がある。
座敷牢の窓から見えた月。
誰もが見ているだろう月は、私と外の存在とを繋げてくれているような気がしていた。
でも、そう思っていたのは私だけで、外では私はおろか『神桜』という一族さえ存在していない。
彼ら自身が望んだ通り、それらは隠蔽されていた。
生きたまま、私は産まれてすらいなかったんだ。
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黒羽ひみと(プロフ) - メロン?さん» ありがとうございます!デュラララは本当に面白い作品なので、今でもハマる方がいて嬉しいです。楽しく更新していきますね! (2020年12月23日 22時) (レス) id: a189c1d2cd (このIDを非表示/違反報告)
メロン?(プロフ) - 自分が小学生の時からあったの知っているのですが最近ハマりだしまして……あまり投稿が少なくって見出しました!!頑張ってください!! (2020年12月23日 19時) (レス) id: 64126dbfa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒羽ひみと | 作成日時:2020年12月23日 12時