story 9** ページ10
Ren Side.
俺はAが誰を好きで、俺自身それをどう感じているかも分かっていた。
そして、紫耀がAをどう思っているのかも。
紫耀がAを抱き締めた理由も、Aが泣いた理由も全部分かってるのはきっと俺だけ。
あと…… 紫耀が本人のいないところでAを下の名前で呼んでいることも。
紫「あーもー！絶対Aに嫌われたじゃん！」
廉「それはどうやろな」
紫「最悪やー、またお腹痛くなりそう」
廉「あれはしゃーない、タイミングが悪かった」
紫耀は昔から腹が弱くて、誰かを抱き締めると腹の痛みが落ち着くらしくて
たまたま保健室にクラスの女がいたから試しに抱き締めたんだろうってことは分かってる。
廉「で？どうやったん？他の女で代用効くもんなん？」
紫「無理！！もー、どうしよー！廉助けて！」
廉「知らんわ。」
お腹の痛みをどうにかしたかったっていうのが紫耀の切実な思いなんだろうけど、
それで他の女抱き締めてるときにAが目を覚ますのは不運すぎた。
廉「いっそ告ったらええやん」
紫「は？？」
俺的にはその方が有り難い。
何せ実らない片想いを続けるのは俺の柄じゃない。
2人がさっさと付き合ってくれれば俺の覚悟も少しは決まるってもんだ。
紫「わ、分かった！伝える！」
廉「がんば」
紫「いやー、でもなぁ……」
廉「男やろ！はっきりせぇや！」
その告白、心配しなくても成功すんで。
お前ら両想いやねんから。
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作者名：なーちゃむ。 | 作成日時：2019年12月30日 4時
