秘密という名のスパイスを。 (ページ7)

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story 6** ページ7

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購買に向かう途中、振り返るとさっきの悪魔な永瀬が消え、満面の笑みで楽しそうに女の子たちと話す姿が見え

ため息が出る

皆さん騙されてますよって。

紫「あ、Aさん」

購買でパン選びに迷っていると平野くんが現れた。

紫「何買うの？」

「永瀬に買って来いと頼まれまして……」

紫「はい、これ」

差し出されたのはおにぎり

紫「廉なら白米好きだからおにぎりのほうが喜ぶよ」

「あ、ありがとう」

永瀬が白米好きだなんて知らなかった

毎日一緒にご飯食べてたのにな……

「はい、これ」

廉「ん、お疲れ」

平野くんに選んでもらったおにぎりを渡す

廉「おにぎり買って来たん？」

「駄目…… だった？」

廉「んなわけないやん、ありがとな」

あまりの微妙な反応に不安を覚えたものの、その不安は一瞬にして取り除かれた。

横を通るカップルに対抗するかのように、私の頭に手をぽんと置き、撫でて来た。

珍しい出来ごとに不覚にも心臓が高鳴ってしまった。

廉「何恥ずかしがってるん、きも」

「うざ」

数分前この男にドキッとしてしまった自分を物凄く殴りたい。

おにぎりを頬張る永瀬を横目にカップスープを飲む

廉「ゴミ捨てといて」

「それくらい自分で廉「は？」」

「何でもないでーす…… 」

逆らったらこの悪魔の逆襲がどんなに恐ろしいか。
そう考えて言葉を飲み込んだ。

案の定、ふっ、と黒い笑みを浮かべてどこかへ立ち去って行った

紫「Aさん、ちょっと良い？」

永瀬と入れ替わる様に平野くんがやって来た

「ん？どうしたの？」

私の問い掛けの答えは無く、またしてもあの時と同じ温もりが私を包んだ

「ひ、平野くん？」

紫「もう少しだけ……」

あの時と同じ様な呟きを私の耳元に届け
昨日よりもさらに強く抱き締められた

紫「やっぱりだ……」

「ん？何が？」

紫「Aさんじゃないと駄目みたい……」

小さく弱々しくそう呟くと私を離し両肩に手を置き見詰めて来る彼

鼓動がどんどん速くなり変な緊張感に襲われ

「ど、どうしたの？昨日から変だよ！」

思わず彼を突き放してしまった。

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