秘密という名のスパイスを。 (ページ28)

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story 27** ページ28

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何が起きたか分からずにただただ私が魂抜かれたような……

分かってることは、永瀬にキスされたってこと。

海「おーい？？大丈夫？」

紫「海人！！」

海「ごめん、ごめん！俺のせい… だよね」

理華「多分違います！」

さっきまで魂抜かれたはずの理華が紫耀と海人くんの険悪なムードを壊した

理華「あくまでも私の推理ですけど…… 廉くんはAのことが好きだと思います」

海「それはあるね」

紫「海人は黙ってろ！」

海「うん、ごめん……」

いつもの優しい紫耀からは想像も出来ないような、迫力すら感じる鋭い目付きと大きな声

理華「私が思うに、永瀬くんは2人が付き合えば自分の気持ちを封印出来るって、諦められるって思ってたんだと思います。だから、諦められない自分に腹立ってるのは廉くん自身だと思います」

紫「だからって彼氏の目の前で唇奪うかよ」

理華「ずっと待ってたんですよ、こういうタイミングを。廉くん、プライド高いじゃないですか、だから、堂々と勝負したかったんだと思います」

「え、待って、じゃぁ今まで応援してくれてたのは？」

理華「Aの幸せが平野くんと付き合うことだって知ってたからだよ！だからきっと迷ってたんだよ！」

理華の推理には説得力があった。

永瀬が私のこと好きだってこと、多分私気付いてた。

ずっと前から知ってた気がする。

だけど、紫耀と幸せで、それを近くで守ってくれる永瀬がいて、この関係が大好きで、

壊したくなくて、だからきっと気付かないフリしてたんだ……

「私、ちゃんと永瀬と話してくる！」

紫「行くなよ！行くんじゃねぇ！」

気付いてしまった以上、本人からちゃんと本心を聞きたい。そう思った。

だけど、紫耀がこうやって引き止めてくれることに凄く幸せを感じてる私はきっと、悪い女だ。

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