story 21** ページ22
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朝のこともあり、理華とは少しだけ気まずかった。
紫耀も噂を沈めるためにだろうけど、私とはアイコンタクトだけで直接話すことはしなかった。
「永瀬、朝はありがとね」
廉「別に。紫耀には皆の平野でいてもらわんと俺が女たちの相手しなきゃいけなくなる。そんなん勘弁やから」
もっともらしい理由を付けてるけど、昨日の夜のこともあっての朝だから、助けてくれたことは確かだって確信があった
「でも、助かった。ありがとね」
廉「あいつら取り敢えずは納得してたけど、理華ちゃんにはお前からちゃんと話さんとやろ」
「だね……」
あのときは静まったにせよ、まだ完全に疑惑が晴れたわけでは無いのだろうから。
紫耀にも相談し、理華に打ち明けることを決めた。
理華を呼び出し、朝の教室で話すことに
2人の関係が悪くなりそうだったらどうにかするって言ってくれた紫耀は頼れる良い彼氏。
理華「何?話って」
「あの、昨日の朝のことだけど……」
理華「うん」
「私たち、王様ゲームなんてしてないの」
理華「は??」
呆気にとられた様子の理華は目をまん丸くしたり、ぱちぱちと何度も瞬きをし、驚きを隠せない様子
紫「ごめんね、理華ちゃん、ずっと黙ってて」
理華「えっと…… どういうこと?」
「私彼氏出来たって言ったでしょ?」
理華「うん」
「紫耀なの」
またしても情報処理に時間がかかっているのか静かに流れる時間。
時計の音すら大きく響く。
理華「あの……さ、私が平野くん好きってこと知ってて黙ってたわけ?」
「ごめん……」
理華「何それ、信じらんないんだけど」
紫「ごめんね、Aのせいじゃないよ。
Aは多分ちゃんと話したかったんだと思う。でも、それ以上に理華ちゃんとの関係を失うのが怖かったんだと思うんだよね」
理華「A…… 馬鹿??馬鹿なの?何それ!」
「え……」
理華「応援するに決まってるじゃん!!私が怒ってるのは私にバレたからって終わった、みたいな顔されたこと!」
予想外の反応だった。
そして、
理華「おめでとう!A!」
と全力で抱き締めてくれた。
胸の奥がジーンと熱くなった。
紫「理華ちゃん…… 凄い良い子……」
私たちが泣くならまだ分かる。
なぜ、紫耀が??
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作者名:なーちゃむ。 | 作成日時:2019年12月30日 4時