秘密という名のスパイスを。 (ページ3)

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story 2 ** ページ3

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？「お前、ドMなん？」

「は？？」

？「どう考えたって利用されてるやん」

「いいんです！！」

？「あっそ」

幸せな気分をぶち壊すように横から黒い笑みを浮かべて現れた男。

永瀬廉。

サッカー部のエースで女子人気もそれなりにあって、成績も平野くんと良い勝負で、顔も整ってて……

ここだけなら申し分ないイケメン男子なんだけど……

廉「お前みたいなブスに愛されてる、紫耀にほんま同情でしかないわ」

「うるさ！！」

この性格です……

黒い笑みが良く似合う悪魔。

基本的に群れることが嫌いで1人でいることが多いこの男がたった1人隣を歩くことを許している相手。

それが平野くん。

この男の言葉で言うなら"人間関係とか面倒"らしい。

そんなやつと私がなぜ関わるようになったかと言うと……

廉「俺腹減ってんねん、早よせーや」

「はいはい、分かりましたよ」

廉「なんや、文句あるんか。さっさと帰るぞ」

実は…… マンションのお隣さんなんです。

"俺といたら紫耀と仲良くなれる〈かも〉な"

と言われ、まんまと乗せられた私は確かに平野くんにほんの少しだけ近付けたかも知れないけど、

代わりにこの永瀬廉という悪魔に【食事の世話】を
させられることに。

この男の両親も私の両親も帰って来るのは週に1回だけ。

そのせいでよく分からない半同棲状態を強制されている。

勿論この関係は絶対に秘密。

「出来たよ」

廉「ん、さんきゅ」

最初こそ料理なんて初心者で、見た目も味も残念なものだらけだったけど、

この男とこんな生活を約半年続けた結果、
今では料理が私の特技になった。

廉「ご馳走様。んじゃ、洗い物は宜しく。俺自分の部屋戻るわ」

「はいはい」

私はこの関係が凄く嫌だった、だけど、毎日毎日どんなに下手な料理でも、
嫌な顔1つせず、完食してくれる永瀬に、ほんの少しだけ悪くないかも？？と思えていた。

平野くんにも永瀬にも、利用されてるんだろうな。

平野くんのは別として、永瀬のは断ることだってきっと出来る。

なのに結局あいつの言う通りにしてしまうのは、きっと温かいご飯を誰かと一緒に食べる幸せを教えてくれたのが永瀬だから。

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