story 14** ページ15
-
もう少しで唇が触れる、そんなタイミングで鳴り響いたチャイム。
2人して笑い合って、廊下に出ると目の前の壁によりかかる男が。
紫「廉何してんの」
廉「そいつ、表向き俺のやから。」
「はぁ？？」
廉「何や、文句あるんか。言いふらしたろか？」
広角を上げどこか得意気に私を脅迫し、結局のところ、従うハメになることは分かりきっていて。
平野くんが私の肩にぽん、と手を置き微笑んで1人教室へと戻って行った。
その背中を追いながら永瀬を睨むも本人は満足そうにポケットに両手を突っ込みながら教室へと戻って行った。
理華「ねぇねぇねぇねぇ！！最近A、平野くんと永瀬くんに挟まれてること多くない？なんで？？ズルくない？？」
「私だって挟まれたいわけじゃ…！」
特に永瀬は求めてない。平野くんはあくまで永瀬の親友だからって表向きで、私の彼氏だからで……
紫「Aさん！先、部室行ってる」
「あ、うん！分かった！」
こんな少しのことで気にかけてくれるのは凄く嬉しい、嬉しいけど…
今まで一度も部室に一緒に行くことなんか無くて、だから当然こんな声掛けも不自然なわけで。
理華「ねぇ！やっぱり何かあったでしょ！」
「な、無いよー、何も！！」
私たちの距離の取り方が不器用すぎて、不自然すぎて、きっと違和感を感じてるのは理華だけじゃない
「と、取り敢えず、急ぐからまた明日ね！」
約1名、1番後ろの席で足を盛大に伸ばし、机の上に両足を乗せて黒い笑みで私たちを眺めてる男が。
ほんとに、悪魔め。
紫「A！今日ダブルス一緒にやるか？」
テニスのウェアに着替えてグラウンドに出ると既にペアで練習をしている部員たち。
平野くんはエースなわけで、私は底辺で……
「エースの足を引っ張るわけには……」
紫「そう？ならいっか」
意外とあっさりと私とのペアを組むことをやめ、女の先輩の誘いに笑顔で答えコートへと入って行った。
同じ部活にもクラスメイトはいるわけで、あまり距離が近すぎて関係が疑われてしまうことは避けなければいけない。
だから平野くんの判断は正しい。正しいけど……
-
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 231人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なーちゃむ。 | 作成日時：2019年12月30日 4時
