桜僕 ページ27
Aside
A「仕事辞めるの、もう少し先にすればよかったな〜」
突然仕事辞めたこと今でも後悔してる。
人手が足りなくて突然居なくなったら迷惑をかけてしまうことは重々分かってた。
でも、次の人が見つかるまでに老化が進んでしまったら。そのことで病気を知られてしまったら。
紫耀君の耳に入ったら――
怖くて本当のことが言えなかった。
晴人「いいタイミングだったんじゃないか？無理して働いたらすぐ熱が出ちゃうんだ。身体の事を考えたら早くやめて正解だよ」
A「でも毎日家にいても退屈なんだ。嫌なこと色々考えちゃうし････････」
ふたりの顔が曇った。だから咄嗟に
A「ごめんごめん、変な事言ったね」と笑う。
A「あっお兄ちゃん。私これからお店の仕込み手伝うよ」
晴人「仕込み？」
A「うん。掃除したり食材切ったり、そのくらいは出来るからさ」
晴人「でも」
月愛「手伝ってもらいなよ」
A「じゃあ明日から手伝うね私が働く分、2人は結婚式の準備とか進めてよ」
A「どうしたの？」
晴人「結婚式なんだけどさ。少し先延ばしすることにしたんだ。」
A「え？」
月愛「今の時期だと良い式場が取れないの」
晴人「こいつがどぉーしても人気の式場で挙げたいってうるさいんだよ」
月愛「何よそれ！晴人が私の好きにしていいって言ったんでしょ！？」
晴人「言ったけど、お前が選ぶ式場はどこも高いんだよ。」
A「私のせい？」
ふたりが止まった。
A「私が病気になったから結婚式延期にするの？」
不安でじっとお兄ちゃんの顔を見つめていると、
晴人「何言ってんだよ」とデコピンされた。
晴人「そんな分けないだろ」
月愛「そうだよ。考えすぎ」
A「本当に？」
月愛は泉のように澄んだ声で
月愛「本当」と頷いた。
きっとウソだ。私のこと思って延期するんだ。私が病気になったりするから･･･････
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作者名：莉流 | 作成日時：2017年8月8日 14時
