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A「嫌だ」
迷いもせず、間髪入れずに答える
A「もう蒼には着いていかない
あんな生活、2度と御免だもの
それに、蒼の側では人が無駄に死 にすぎる」
そう云い切り顔を逸らした少女を見て男は溜息を吐く
椿「そんなのポートマフィアでも変わんねぇだろ
そんなにあっちの生活の方がいいのか?
響を殺した組織での生活の方が」
A「あの時のマフィアとは頭が変わってる」
椿「だが、本質は変わってない
彼奴らはお前をただの道具としてしか見てない」
A「っ!そんなの、、、」
少女は言葉に詰まる
椿「心あたりでもあんのか?」
無いわけでは無い
ポートマフィアに入ったばかりの頃の森からの任務時の扱いや、太宰からの扱いに猜疑心を抱いたこともあった
だからこそ少女は云い返せなかった
椿「あの太宰ってやつも、お前のことを都合の良い道具としてしか見てない」
A「そんな事ない!だって、太宰さんは、愛してくれてる!」
椿「道具としてか?」
A「ちがッ」
椿「なぁ、ほんとに彼奴のこと信じてるのか?
ああいう奴が1番信用ならねぇのによ」
椿「彼奴は愛を手段として使ってるんだぜ?
そこにお前が云う愛なんて存在しねぇんだよ」
A「なんでそう云い切れるの?」
椿「2年前、彼奴に云われたんだよ
『私がその子を上手に使ってあげるから、君は死 んでいいよ』ってな」
A「つか、う?」
少女の目が絶望で染まり、大きく見開かれる
椿「な?こんなの、道具に対する云い方だろう?」
A「でも!それは2年前のことで!」
椿「そうだな
じゃあ、もし今もそう思っていたら?
お前は猜疑心を抱いて生きていくのか?」
少女は戦慄した
疑念を抱いて生きていくことの恐ろしさ
それは答えのない暗闇の中で生きていく事と同義である
それに、彼女には確かすぎる心当たりがあった
椿「お前は、彼奴に愛されてなんかいない」
A「ッ」
拠り所を無くした少女は息を呑む
それは小さな喘鳴だった
男はこれを好機に少女に畳み掛ける
椿「なぁ、A
俺ならお前を人として愛してやれる。守ってやれる
お前が待ってても彼奴は答えを出してくれないぜ?
だから、こっちに来いよ、A」
椿「一緒に、響を殺したポートマフィアを潰そうぜ?」
そう云い、男は支配を解く
そして、手を差し伸べる
男の手を取った少女の瞳には、光がなかった
男は怪しい笑みを浮かべた
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紫乃(プロフ) - りりり ( ´・ω・)(・ω・` )@受験多忙さん» コメント、お褒めのお言葉、ありがとうございます!ご多忙なのに読んでいただけて嬉しいです!イベント、参加させて頂いちゃいました♪続編!お時間のある時に、まったりと読んでいただけたら嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2023年2月23日 22時) (レス) id: 6ec89759a7 (このIDを非表示/違反報告)
りりり ( ´・ω・)(・ω・` )@受験多忙(プロフ) - めちゃめちゃ遅くなってしまい申し訳ないです…イベント参加ありがとうございました!!キャラを見せる文章や、ストーリ性?というのでしょうか…とにかく文才という文才が爆発してらっしゃいました(?)シリーズまだ続いてるようなので見させて頂きますね!! (2023年2月23日 2時) (レス) id: 683d7ef17c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫乃 | 作成日時:2022年12月15日 19時