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何なんだ一体
急に爆発が起こって、入り口が爆ぜた
その風に吹き飛ばされ、全員距離が出来た
太「全員無事かい?」
インカムに太宰幹部の声が入る
各々無事だと報告していく。勿論私も
砂埃が酷くて視界が悪かったが、それも段々薄まってきて、漸く建物の入り口だった場所が見えた
そこには、1人の少女が佇んでいた
腰の長さまである黒い髪に、濁った紫の瞳
足には鎖が付いている
恐らく、ここの組織が所有していた子だろう
そしてもしかしなくても異能力者だろうな
やっかいだ、、、
そこまで考えていると、物凄いスピードで何かが飛んできて、それを反射で避けた
A「っは?」
飛んできたモノは小型のナイフ
後ろの木に突き刺さっていた
驚いたのはそこじゃない。避けた筈なのに、何故か私の腕が傷ついていたからだ。結構深めに
太「A!大丈夫?!」
太宰幹部の焦った声が耳元で聞こえる
今ので彼女が異能力者であると云う事が確定したわけだが、どんな性質なのかが皆目見当もつかない
暫くして静寂が訪れた
少女が俯き、何かをブツブツと呟いている
耳を澄まして聞いてみると、最後に少し大きめに聞こえた
聞こえてしまった
憎悪に満ちた声で
______________殺 してやる、と
彼女がそう云った瞬間に強すぎる風が吹き始めた
なぁんだ、風を操る異能力者だったか
さっきはナイフの周りに鋭く細い風を巻きつけていたと云うわけだ
私が考えている内に中也さん、龍に広津さん達が少女に近づこうとするが、風が邪魔して近づけないようだ
どうするか、と考えていたら、大きなコンクリートの欠片が飛んできた
______________太宰さんの方向に
A「太宰さんっ!!!」
時が止まる気がした
他の人達も気づいてはいるが、追いついていない
太宰さん本人も反応に遅れたようだ
ダメだ、それだけはダメなんだ
この人だけは殺 させちゃダメなんだ
______もう2度と、私の大切な人を死 なせちゃダメなんだ
そう思い、太宰さんへ手を伸ばした
伸ばしたところで届きはしないのに、、、
それでも、守りたい
そう強く願い、目を閉じて叫んだ
A「異能力、薄氷っ!」
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紫乃(プロフ) - ぴょんぴょんさん有難うございます!これからもよろしくお願いします! (2022年11月24日 19時) (レス) id: 6ec89759a7 (このIDを非表示/違反報告)
ぴょんぴょん - すばらしです。夢主の性格がタイプだしだざさんの口調も解釈一致すぎます。最高 (2022年11月24日 19時) (レス) @page6 id: 7c1e9fc614 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫乃 | 作成日時:2022年11月22日 22時