◇158◇ ページ28
◇Aside◇
猫田「ここが犯行現場です。」
私達は現場に入れてもらった。
A「ここに倒れてたんだ。」
究「キンタ、田口涼子さんの遺体を発見した人って確か…。」
ｷﾝﾀ「演出助手の岡島弥生と制作の西沢真希だ。
遺体の発見直後、西沢真希は貧血でその場に倒れ、岡島弥生は役者とスタッフを呼びに戻ったそうだ。」
究「猫田さん、この窓って？」
猫田「遺体が発見された時、もうこの窓ガラスはすでに割られていたそうです。
恐らく犯人は、この窓から侵入してきたんじゃないかな。」
究「ねぇ、メグ。」
恵「ん？」
究「この破片の散り方、どう思う？」
恵「これ、変だわ。」
猫田「え…？え…何が？」
恵「もし、外からの侵入者が中に入ろうとしてガラスを割った場合、当然窓は閉められた状態なわけだから、破片は当然、その真下に落ちるはずよ。」
猫田「あっ！」
究「でも、実際ガラスの破片は真下の床じゃなく、少しずれた床の上と化粧台まで飛び散ってる。
つまり、こうやって窓を開けた状態にして、部屋の中にいる人間がこうやって割ったんだと思う。」
猫田「でも、何のためにそんなことを？」
究「外からの侵入者があたかもいたかのように見せかけるため。」
ｷﾝﾀ「じゃあ、犯人は劇場の中にいたってことか？」
究「恐らく。」
猫田「でも、役者とスタッフは全員舞台にいたって、全員が証言してます。
だから、誰か田口涼子を殺しに行くなんて不可能なんじゃないのかなぁ。」
究は台本を手に取った。
究「ねぇ、この台本…。芝居の途中でマントを脱ぎ捨てるって書いてあるけど、ここのト書き、ペンで消されてる。」
A「演出上の問題じゃない？ほら、よく立ち稽古でセリフや動きが変わるっていうし。」
究は資料を見た。
究「指先に血の跡…？そうか、そういうことだったんだ…。真犯人、分かっちゃった。」
「「え！？」」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 196人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：優花
| 作成日時：2019年1月30日 15時
