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◇No side◇
諸星「捜査状況を説明しておく。昨日の夜、劇団アキバ組の女優、田口涼子が殺された。
現場に残された凶器のナイフから指紋が検出され、ある容疑者が確保された。この男だ。」
男の人の写真が映し出された。
キンタ「竜介!?」
恵「キンタの知り合いなの?」
キンタ「昔の舎弟だ…まさか竜介が?」
猫田「美作竜介は劇団アキバ組のマネージャーで、よその大手事務所への移籍を希望している被害者、田口涼子ともめていました。」
キンタ「何やってんだ、あのバカ…。」
諸星「奴は取り調べで黙秘したまま、何もしゃべろうとしない。
ただ、お前にだけはすべてを語ってもいいといってる。」
キンタは取り調べ室に案内された。
究達はその様子を隣の部屋からみていた。
美作「キンタさん!ご無沙汰してます!」
キンタ「勝手に人を巻き込みやがってどういうつもりだ!おかげでこっちはいい迷惑だよ。」
美作「でも、ちゃんと会いに来てくれた。」
キンタ「お前、人殺したってホントか?」
美作「冗談じゃねえ、俺は殺しなんてやってませんよ。」
キンタ「被害者の田口涼子と移籍問題でもめてたそうじゃないか。」
美作「彼女、ウチの看板女優だったし…。でもその件については手打ちは済んでました。」
キンタ「じゃ、犯行に使われたナイフは?お前の物だったんだろ?」
美作「誰かが俺に罪をなすりつけようとしたんすかね?」
キンタ「じゃあアリバイは?犯行時間どこにいた?」
美作「スカウトやってました、秋葉原で。」
キンタ「じゃ、つかまえた奴に名刺渡したんだろ?」
美作「それが、昨日は誰も名刺受け取ってくんなくて…。」
キンタ「それじゃ、話になんねえだろ!」
美作「だからキンタさんに来てもらったんでしょ!」
キンタ「はぁ…俺にどうしろっつうんだよ。」
美作「俺の無実を証明してください。」
キンタ「あ!?」
美作「明日の夜、妹の結婚式なんすよ。
親が早くに死んで、俺たちずっと兄妹2人きりだったから…。
小さいころからのあいつの夢だったんすよ。自分の家族をつくるの。
このままじゃ、結婚式出れないどころか破談になっちまう。
あいつの夢が俺のせいでつぶれちゃうんすよ!
キンタさんしかいないんすよ、俺が頼れるの!」
キンタ「勝手なことばっかいってんじゃねえ!!3年前、てめぇがしでかしたこと忘れたのか?」
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作者名:優花 | 作成日時:2019年1月30日 15時