理想の息子 4

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□海side□

私はテレビで星座占いを見ていた。

海「何よもう！今日の運勢最悪だって。

“ラッキーカラーはピンク”っていい年してピンクって何つけろっていうのよ。

大地はブルーだって。」

大地「なんで女子って占いとか好きなのかね？

手相だの何だのって適当な話に金払って、意味分かんないよ。」

海「どっか受け身なとこあるのよ。女の場合、運命を自分で切り開くっていうよりも人頼みな感じ？

キャリアでバリバリ働いてる人だって、恋愛とか結婚とか相手次第だし…ってね。」

大地「困った時の神頼みってか。」

海「そうそう。でも、大地を産んでから随分変わったわ。

いいことだけ信じて悪いことは当たってないって。」

大地「そのぐらいのほうがいいよ。って…なんで俺が生まれてから？」

海「だって結局、国も他人もだ〜れも何とかしてくれないし、赤ちゃんはミルクやおしめを待ってくれないでしょ？」

大地「俺育てるの、苦労したんだよね、女手ひとつで。」

海「ううん！私ぐらい苦労した人世界中探したら１人や２人、きっといるわよ。」

大地「それしかいないの？」

いくら拝んだって神様は私に家を買っちゃくれないからね〜。

海「とにかく気づいたのよ。もっと現実を見なきゃって。」

大地「ふ〜ん。」

海「神頼みよりやっぱ家族でしょ？Family. 発音して。」

大地「Family。」

海「そうそう、たった２人だけのね。」

大地「要するに、現実的に母ちゃんの願いを聞き届けるのは俺１人？」

海「ヤッダ〜！いつ私があなたにお願いなんてしたのよ？私は母親よ。

絶え間なく降り注ぐ、無償の愛がただそこにあるだけよ。」

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