金田一少年の事件簿N 6

♪25♪ ページ26

✞一side✞

一「ジゼルさんは２つミスを犯している。

その発言でね。まず、一心さんの遺体を発見した時。

なんであの時、一心さんが入る男湯に

『蓮花』が浮かんでたって知ってたんだ？」

月読「それは女湯に浮かんでたから！」

一「男湯にも同じ薔薇が浮かんでるとは限らないよな。

そして、２つ目はみるくさんが襲われて、

俺たちが開かずの間に向かってる途中で…。

あの時、一緒に毛利さんや真壁部長もいた。

普通なら、世話人の毛利さんに聞くか、

その場にいた全員に聞くはず。

なんでわざわざ俺とAに名指しで何かあったんですか？

って聞いたんだ？何かあった。

それを目撃したのがなんで俺とAだとあんたは分かったんだ？」

月読「待って…。じゃあどうやって

私が一心さんを殺したっていうの？

あれは完全な密室だったんでしょ！？」

一「密室じゃないよ」

俺達は円形応接室に来た

一「この密室トリックを解くヒントは

床にまで突き刺さったこの杭だ」

佐久羅「どういう意味だよ？

だって悔いは張り付けにされた

キリストに見立てるために刺さってたんだろ？」

一「でもそれは、杭を打ち込んだ

本当の理由を隠すためのカムフラージュだったんだよ」

竜二「本当の理由？」

一「この部屋には円形のカーペットが敷いてあるよね」

毛利「それが？」

一「この杭はカーペットをターンテーブルみたいに

回転させるための軸を役割を果たしてたんだよ。

ジゼルさんはこのカーペットをぐるっと回転させて、

青薔薇がドアの前の床に来るようにして

この部屋を密室だったかのように見せ掛けたんだ」

A「みるくさんは？どうやって

ジゼルさんがみるくさんを殺したっていうの？」

真壁「あの時、開かずの間に行くルートは１つしかなかった。

俺たちの後から来たジゼルさんが犯人だってのは無理がある」

一「無理じゃないんだよ。

みんなついてきてくれ。あの南端の部屋に」

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