金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件

♪28♪ ページ29

✞一side✞

みんなを食堂に集めてもらった

堂島「これで全員だ

何が始まるっていうんだ？金田一君」

式部「どういうこと？

犯人は自 殺した中屋敷君じゃなかったの？」

一「中屋敷は自 殺なんかしてない

殺されたんだ 罪をなすり付けられてね

この合宿で起きた５人の連続殺人事件

そして恐らくは東京の予備校で起きた茂呂井君殺害事件も

ある異常な犯罪者の立てた計画だったんだよ」

堂島「異常犯罪者？」

リー「そう 憎しみを抱いている人間に近づき

自分の犯罪計画を実行に移させることで

芸術作品を作り上げたと思い込んでいる

『地獄の傀儡師』と呼ばれる男です」

一「俺はこの場で

芸術家気取りの犯罪者の鼻を明かしてやる

もしこの中にその男がいるなら約束しろ

俺が勝ったら潔く正体を明かせ

『地獄の傀儡師』高遠遙一」

赤尾「面白い話ですね金田一君

私も聞いてみたいなぁ

君が解き明かしたこの事件の真相とやらを」

一「じゃあまずは 動機の話からだ

リーさん頼む」

リー「去年 獄門予備校で一人の予備校生が急死した

病死だったことになってるが

内部から報告があり

今回殺された６人が事情聴取を受けていた

しかし 彼が急死した日は６人全員が

予備校を休んでいたため

彼らは無関係ということになった」

堂島「警察に報告したのは私だ」

式部「堂島先生が？」

堂島「前からマー君には個人的に相談を受けてた

話をするようになったきっかけは

彼が覚せい剤をやっているっていう生徒からの密告」

竜二「か… 覚せい剤？」

堂島「そう まさかとは思ったんだが

確かに彼は時々隠れて注射を打っていたし…

それで 後をつけていったら彼は…

小さな工場に入っていって…

マー君は重い心臓の病気だった

毎日時間どおりに薬を打たないと

命にかかわるものだったんだ

覚せい剤の噂はあの６人の仕業で

何かと嫌がらせを受けていることも

マー君から聞かされてた」

赤尾「なるほど

じゃあ金田一君はこう言いたいのかな？

この事件は死んだマー君が原因だと」

一「そうだ この中にいる真犯人は

地獄の傀儡師にその復讐心をたき付けられて

６人もの予備校生を殺害した」

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