金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件

♪17♪ ページ17

✞一side✞

式部「２人ともどこに消えちゃったの？」

堂島「鍵は掛かったままだから

まだ外には出てないはずだ」

式部「もしかして… 殺された？」

竜二「えっ？」

式部「堂島先生 これって去年の

あの事件と何か関係してるんじゃないですか？」

あの事件…？

堂島「式部君 何をバカな…」

式部「あり得ますよね？

チェン君も霧沢君もここに来る前に殺された茂呂井君も

あの事件で警察に事情聴取を受けたんですよね？」

一「事情聴取？」

式部「ええ マー・タイチの事件のことで」

一「マー・タイチ…」

堂島「あれは病死だった霧沢たちは関係ない！

それが警察の結論だ

無責任なことを言うんじゃない」

堂島先生は食堂を出ていった

濱「ごちそうさまでした」

一「濱さん ちょっといい？」

濱「何ですか？」

一「彼女が言ってたマー・タイチって？」

濱「去年亡くなったここの予備校生です」

一「死んだ？どうして？」

濱「病死とか何とかって聞いてます」

一「でも さっきの

チェンの騒ぎでも『マー』って名前が…」

濱「騒ぎってカンニング？」

一「いや そうじゃなくて

その前のテキストがなくなったって大騒ぎしたじゃん？」

濱「私 勉強に集中してたから気付きませんでした

もう行っていいですか？予習があるんで」

濱さんは行ってしまった

竜二「そんなもんですよ」

一「あ？」

竜二「ここは学校とは違って…」

赤尾「そう ここは学校ではない

仲良しこよしのサロンではないのだよ

ここは むしろ ここでこそ

人間の本質というものが見えてくる

自分が生き残るためにはどんな手を使ってでも

相手を引きずり下ろすというね」

一「あんた ライバルを蹴落としたい誰かが

これを仕掛けてるって言いたいのか？」

赤尾「さぁ？どうだろう

でもそう考えると 実にピュアな

人間の姿というものがそこにはあるとは思わないか？」

一「思わないね」

赤尾「ふ〜ん でも人間なんてそんなもんさ

君はよく分かっているようだね」

ドン―

赤尾は佐木を挟んで壁に手をついた

赤尾「そうだろ？」

佐木は怯えていた

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