金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件

♪14♪ ページ14

✞一side✞

堂島「では『竹取物語』の一節です

次のページ開いて 今は昔

竹取の翁といふ者ありけり

野山にまじりて竹を取りつつ

よろづのことに使ひけり」

霧沢「ハァハァハァ…」

霧沢のやつどうしたんだ？

堂島「名をば さかきの…」

霧沢は立ち上がった

霧沢「あ あの…」

堂島「何ですか？霧沢君」

霧沢「ちょっとトイレに行ってもいいですか？」

堂島「仕方ない行っていいぞ」

霧沢「はい すいません」

霧沢は教室を出た

数分しても霧沢はなかなか戻ってこなかった

堂島「では これで古文の授業を終わります

次は３階F教室で赤尾先生の英語の…」

一「あの 堂島先生」

堂島「何ですか？金田一君」

一「霧沢 トイレに行ってから

もう１０分になりますけど」

堂島「ちょっと見てくるか」

一「俺も行きます」

俺達はトイレに行った

一「いない 外に出たんじゃ…？」

堂島「いや この階のどこかに隠れてるだろう

ここは３階だし 階段には鍵が掛かってる」

✞竜二side✞

僕は濱さんと３階を探していた

濱「いないね」

竜二「濱さん 大丈夫ですか？」

濱「えっ？」

竜二「濱さんもあいつらと何かあったんですか？」

濱「去年ことは… 忘れろって言われた

私も一度 あいつらのいじめの標的になりかけたの」

竜二「理由は？」

濱「理由なんてない 誰でもいいの

人に嫌がらせするのを楽しんでるだけなの

だから かかわらないのが一番」

そんな…

すると先輩が来た

一「いた？」

竜二「いえ…」

✞一side✞

赤尾「Who killed Cock Robin?

I, said the Sparrow, with my bow and arrow,

I killed Cock Robin. 」

一「あの…」

赤尾「誰が見たの？

『それは私』とハエが言った

私の小さな目は彼が死ぬのを見届けた」

竜二「マザー・グース」

赤尾「佐木君そのとおり

これはイギリスの童謡です

イギリスではこの童謡になぞらえて

クックロビンが被害者 ハエが目撃者

そしてスパロウ つまり

スズメが『殺人者』の意味で使われることがあるそうです」

一「それ授業に関係あるんすかね？赤尾先生」

赤尾「君がハエだよ 金田一君」

赤尾先生が俺の耳元でそう言った

一「えっ？」

俺がハエ…？

赤尾「誰が殺した？クックロビン

誰が彼の血を浴びた？

『それは私』と魚が言った

小さなお皿でクックロビンの血を受けた」

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