小さな約束【紫】 (ページ12)

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⑪ ページ12

Aside

──グイ！
そのとき

｢.......えっ.......？｣

突然辰兄が、私の腕をつかんだ。

｢......辰に....｣

びっくりして見上げた辰兄の顔は見たこともないくらいに...真剣で。
私の姿を移す瞳は吸い込まれてしまいそうなくらいに綺麗で。
──私はその瞳から
目を逸らすことができなかった。

辰哉｢俺は....｣
自然と高鳴る鼓動。
奈々と大樹の声が、どんどん小さくなっていく。
───なんだろう
まるでここだけ
時間が止まったかのような
感覚。

辰兄は、まっすぐ私を見つめる。
そして───

辰哉｢何があってもおまえのこと守るよ｣

ひと言.....そう言った。

──辰兄が....
なんでいきなりそんなこと言ったのか
私はわかんなくて
｢･････｣
どうしていいかわからなくて目をまん丸にして辰兄を見ていると───

辰哉｢....おらっ、教室戻れっ｣

おでこをペチッとたたかれた。

A｢.....イタイ....｣

──わかんない.....

奈々｢･･･あれ？A？辰哉さん？｣

大樹｢何してんすか～？おいていきますよ～？｣

辰哉｢お～、悪い。ちょっとな....｣

今日の辰兄は──

｢････わかんないよ････｣
恋はホントに

難しいよ───