小さな約束【紫】 (ページ1)

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Aside

｢･････はい？｣

私、前田Aは親の発した言葉の理解に苦しんでいた。

母｢だぁ～かぁ～らぁ～！｣

お母さんはそんな私を見てほっぺたをふくらませながら言う。

母｢お父さんパリに転勤になっちゃったのよぉ！お父さん1人じゃ心配でしょ？？だからお母さんって行こうと思うの！｣

･･････････。
｢ちょっ...ちょちょちょっと......ちょっと待ってよ！何普通に『ついて行こうと思うのっ！』とか言ってんのよ!! ｣
意味わからない！
いきなり何言ってんの、この人！！

母｢落ち着いてAちゃんっ♪｣

お母さんが私の肩をポンッとたたいた。

母｢Aちゃんは行きたくないでしょ？｣

｢......へっ？？｣

そっ、そりゃぁ....
いきなりそんな事言われたって、そっかぁ、わかった！私も行くよっ！...なんて言えるものか。
私は首を大きく縦に振った。
そんな私を見てお母さんはニコッと微笑んだ。

母｢お母さんっ、そんなAちゃんのために秘策ねっちゃいましたっ ♪｣

....ひっ...秘策！？
......い、嫌な予感がする.....。

｢な、何？秘策って....｣

私は恐る恐る聞いてみる。
すると、お母さんの口から思いもよらない言葉が飛び出した──

母｢お父さんとお母さんが留守の間、Aちゃんはお隣さんに預かってもらうことになったからっ♪｣

......... は？

母｢お隣さんっていっても、右隣の橋本さんと、左隣の深澤さん、どっちだと思うっ？？｣

ウキウキ気分なお母さん。

あのさ...クイズ形式で話す問題じゃあないよね？確実に.....

｢....っどっちだと思うとか...そっ、そういうもんだいじゃ.....｣

母｢もちろん！ Aちゃんのだーーいスキな辰くんがいる深澤さんちにたのみましたぁっ♪ お母さん偉いっ？｣

そう言ってお母さんは私にＶサインをした。

ま、、まじ？？
｢.....辰兄んちに...？｣

──── 遠い日の

小さな約束を覚えていますか？

【大きくなったら .....】