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私を攫ってくれたあなたに花を(サボ) ページ1

とある城のどこかの部屋で







1人の娘が居た

娘は
窓際に咲く黄色のゼラニウムを愛でながら
悲しみを帯びた瞳で
月を見つめていた



「…自由になりたい…」



ポツリと娘は言う
そんな娘の元に1人の青年が現れた



「それなら、俺が自由にしてやろうか?」



どこから入って来たのか

突然現れた青年に
悲しみを帯びた娘の瞳に
驚きの色が入る



「あなたは誰…?
どうしてここに?」


「俺か?
俺は革命軍の戦士さ
ここに来たのは、自由を求めるお前を見かけたからだ」



革命軍、そう名乗った青年は
曇りのない笑顔で答えた



「革命軍…
御誘いありがとう
でも、私は自由になれないわ」



娘はそう言う



「?…なんでだ?」


「私は明日結婚をする身…
自分の意志で自由になる事はできないの

だから…」



娘は言葉を続ける



「だから、私を攫って?
私を攫って、あなたの意志で私を自由にして」



青年は驚いた表情を浮かべたが
すぐに曇りのない笑顔で答える



「あぁ、喜んで」








次の日

城では花嫁が消えたと騒ぎになり
行われるはずの結婚式は中止になった











黄色のゼラニウム…『予期せぬ出会い』

眠っているあなたに花を(エース)→



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作者名:華音 夜九 | 作成日時:2019年8月27日 16時

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