最後だから、笑ってよ。 (ページ19)

今日:21 hit、昨日:12 hit、合計:86,818 hit

◯ ページ19

悠太side

Aから病気の現状を打ち明けられてから、なんだか腑に落ちないことがあった。

それがなんなのかまではわからなかった。

Aとジゼルが家に帰ってから、俺は職員室に荷物を取りにあがった。

職員室に入ると、他の先生たちがAについて話していた。

先「Aさん、あの有名な会社の娘さんなんですね〜」
なんて呑気な会話が聞こえてきた。

ん？今なんて言った？？どこがで聞いたことがある気がして俺は大学の同級生であるテヨンに声をかけた。

「テヨン。今日転校してきたAなんだけどさ、」

テヨンは静かに頷き、

テ「Aさんは、多分ジェヒョンの妹だよ。」

テヨンは他の先生たちに聞こえない声で俺に伝えた。

Aは知らないだろうが、ジェヒョンは俺とテヨンの大学の後輩だ。
学部は違うが部活が同じだったため、今でも連絡を取り合う仲である。

ジェヒョンからAについて話題が出たことはない。
多分俺の周りの奴はみんなジェヒョンは一人っ子だと思ってるはずだ。

ジェヒョンの口から妹がいるなど聞いたことがないからだ。