ポゴシプタ〈TH〉完結 (ページ3)

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「テテ」

懐かしい声がする

君に会いたすぎて幻聴まで聞こえるようになったのか

「テテ！」

バシッと背中を叩かれた衝撃で体を起こした

「嘘だろ…」

幻覚かと思った

もう笑顔を見せてくれないと思ってた君が

もう喋らないと思ってた君が

「？どうしたの？」

首を傾げて俺を見ていた

「本当にA…？」

恐る恐るAの手を取った

「えーほんとにどうしたの？？テテ変わっ！」

我慢なんてできるわけがない

俺は取った手を引っ張り勢いよくAを抱きしめた

だってもう会えないと思ってたから

「本当に今日のテテは変だね」

変だ変だって言いながらも抱きかえすAがすごく愛おしかった

「ほらっ今日はデートするんじゃないの？
あんなにデートしよってしつこく言って来たのに」

「えっデート…？」

改めてまわりを見た

見覚えのある家具

お揃いで買ったコップ

Aの大好きなぬいぐるみのタタ

「病院じゃない…」

そう呟く俺にAは首を傾げた

「病院？あーだからか！昨日夜遅くに帰ってきたでしょ？そしたらそのまま寝ちゃってさ。大変だったんだよー！」

「えっそうなの？」

「そうだよ！！もう！というかなんか病気だったの？」

昨日のことは夢だったのか？

Aが死んだのは俺の夢だったのか？

夢…そうだ。夢だったんだ。あれは夢だ

そうに違いない

「テテ…？」

ぎゅっとAが手を掴んだ

「あぁごめん。なんでもないよ。心配しなくて大丈夫だよ」

Aに笑いかけると安心したように眉が下がった

「じゃあ早く起きて準備してデートしよっか」

そう言って俺から離れた

ねぇA…気づいてた？

Aがする眉を下げる癖って何か隠してる時にする癖だよ

ねぇほんとに死んでないんだよね？

俺、信じていいんだよね？

もう、Aを失うのは嫌だよ…

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