素直になれくて ページ33
貴方「し、」
シ「…？A？」
いつもの様に彼の名前を呼ぶ事ができない。パクパクと金魚のように唇を動かすだけで、それが言葉になることはなかった
シ「どうかしたのか？」
その問いかけにも答えることができない自分が情けなくてぐっと下唇を噛む
シ「どそか具合でも悪いのか？熱とか……」
スっと額へ伸びててくる手を避けるように顔を背ける。込み上げてくる罪悪感。どうして、私は……
貴方「ごめん、何でもないっ」
とうとう耐えきれなくなってしまいその場から逃げるようにリビングを飛び出した
背中に隠していた、小さな紙袋も渡せないまま＿＿
＊
4月30日
如月伸太郎の誕生日
彼の為に用意したプレゼントは毎年渡すのに苦労している。一応毎年渡せてる事は渡せているが
普通に渡せば済むことなのだが、それが出来ないから困っているのだ
……そろそろ愛想をつかされても不思議ではない
そんなこんなで時刻は18時半
そろそろ太陽も沈み始め、だんだんと薄暗くなってきてしまっていた
リビングを飛び出して自室へと戻ってから数時間が経過したが、あれから顔を合わせていない
心配してくれたであろうシンタローが何度か声をかけにきてくれたが全て狸寝入りで過ごした
…でも、そろそろ腹を括らなければならない
ちゃんと渡すって決めたんだから
そっと気づかれないように、できるだけ音を立てないようにリビングへと戻ると、異様に静かだった
いつもならテレビやゲーム音等がしてるはずなのだが……
少し疑問に思いつつ中へと入っていくがシンタローの姿が見つからない
何処かに出かけた？…いや、あのヒキニートがそんな事……
……あ。居たわ。普通に
ソファーで気持ちよさそうに寝てくれちゃって。起きた時身体痛くなってても知らないぞ
………………。起きて、ないよね？
寝てる、よね？
貴方「し、シンタロー…？」
シ「……」
返事はなかった。試しにつんつんと頬をつつくも反応無し。スースーと規則正しい寝息が聞こえるだけ
貴方「…誕生日、おめでとう。プレゼント遅くなってごめんね」
起こしてしまわない様にそっと空いているスペースに紙袋を置いた
貴方「…生まれてきてくれてありがとう。だ、大好きだよ、シンタロー」
ちゅ、とほんの一瞬だけ。頬に触れるだけの口付けをした
＊＊＊
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ユキ(プロフ) - ☆最高☆ (2022年5月5日 10時) (
レス) @page34 id: aab5d4a87b (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - _:( _ ́ཫ`):_<尊死 (2022年3月7日 14時) (レス) @page32 id: 710a3a49b7 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - またリクエストするかもしれません！その時はよろしくお願いいたしますm(_ _)m更新頑張ってください！ネタに困ったらレスしてくださいね！ (2022年2月26日 0時) (レス) id: 710a3a49b7 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - リクエストに応えていただき本当にありがとうございます！またニヤニヤしながら見てました← (2022年2月26日 0時) (レス) @page30 id: 710a3a49b7 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 如月将美さん» はい！そうです！バッチリです！ (2022年2月22日 23時) (レス) id: 710a3a49b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月将美 | 作成日時：2021年10月11日 18時
