検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:5,206 hit

誕生日(夢主) 2 ページ10

カ「ほら、後一文字じゃん頑張って」
貴方「すっ、す、す…」

『好き』そのたった二文字が言えない
言えないどころかまともに顔すら見れない

目の前にいるのがシンタローじゃない
シンタローに欺いてるカノだと分かっていても

見た目はどこからどう見てもシンタローな訳で
どうしても緊張してしまう

貴方「あ、あの、カノ…一旦元の姿に戻ってくれない?」
カ「?別にいいけど」

下げていた顔をあげる
そこにシンタローの姿はない

貴方「す、好きです」
カ「僕の姿のままなら言えるのね」

言えた
先程まであんなにも言えなかった『好き』の二文字
少々つまったけど言えた

カ「じゃ次はシンタローくんの姿で」
貴方「え!?心の準備が…!」

早い
いくらなんでも早い
そんな焦る私の意見なんて聞かずに気がつけばシンタローに欺いてるカノ

「A」

突然自分の名前を呼ばれ
シンタローとそっくりなその声にピクリと身体が反応する
コレはカノ。コレはカノ
と何度も自分に言い聞かす

貴方「す、好き、です!!」

かなり詰まったが言えた
シンタローの事をコミュ障だなんてイジれないぐらいやばかったけど
先程言えなかった言葉が言えた

カ「言えたじゃん。偉い偉い」

ぽんぽんと頭を撫でるカノはいつの間にか元の姿に戻っていた

貴方「うっ…煩い、馬鹿。で、でもありがと」
カ「どういたしまして!じゃ次は本番頑張ってね?例えば明日にでも」
貴方「え、明日!?」

明日はちょっと早過ぎない?
もう少し心の準備とかしてからでも…

カ「善は急げって言うでしょ?あ、もしかして今日の方がよかった?」
貴方「明日でお願いします」

明日か
私はちゃんと思いを伝えることができるのだろうか 不安と緊張で今日眠れない気がする

カ「それに明日ならAちゃんの誕生日パーティーするから皆集まると思うし」
貴方「…あっ」

そうだ。忘れてた
告白の事で頭がいっぱいですっかり明日が私の誕生日だと言うことを忘れていた

でも待って?
自分の誕生日に好きな人に告白するって
なんかちょっとアレじゃない?

貴方「さ、流石に自分の誕生日に告白する勇気ないんだけど…」
カ「ま、頑張ってね〜」

ヒラヒラと手を振ってその場から去る
クソ。他人事だと思って…!
私の身にもなってよ!?
振られたら誕生日来る度に思い出しちゃうじゃん!

こんなにも自分の誕生日の日が憂鬱だと思う日は初めてだ

__この時の私はあの告白を聞かれていたなんて知る由もない

誕生日(夢主) 3→←誕生日(夢主)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
22人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

玖瑠実(プロフ) - 毎回シンタローが尊すぎてやばい(*ノωノ)更新お疲れ様です!勉強の息抜きに読もうって思ったら、勉強どころじゃ無くなりました(笑) (2021年6月26日 22時) (レス) id: 0b0a873f46 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:如月将美 | 作成日時:2021年4月30日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。