鳴狐�� ページ12
加州にはお帰り頂き←
困ったように座っているお供に近づく。
『ねぇ、鳴狐は？』
お供は居るものの、本体がいない。
いつもならちょこんと座っているはずなのに。
「それが...今はあるじどのの前に出ることは出来ないと....」
『え？何で？』
私の質問に対し、お供は気まずそうに目を逸らした。
....嫌な予感がするのは私だけか？
『....鳴狐は部屋にいるな？』
「！！あ、あるじどの！なりませんぞ！」
『また“アレ”をしてるかもしれないだろ！それを放っておけって言うのか！？』
「しかし....あるじどの！」
お供の制止の声を振り切り、真っ直ぐ鳴狐の部屋に向かう。
襖を開けると、部屋は真っ暗で
『....そこか』
かろうじて彼の姿が見えるくらいだった。
「...！あるじ....」
ビックリしたのか、さっと腕を隠す。
やっぱり刀剣男士って隠し事下手だな....。
「....キツネから....聞いて、ない...？」
『聞いた。聞いたから来たんだよ。....腕、見せて』
「！！」
『...誤魔化せると思ったの？』
「....」
これでもう三回目だよ？
そうため息をつきながら、彼の手首を優しく掴んで見る。
...やっぱり鳴狐の腕には、痛々しい傷跡がいくつもあった。
いわゆる、自傷行為というやつだ。
『何でこんなことするの？前に言ったでしょ？次やったら理由聞くからって』
「っ....。.....だ、って...」
ポツリポツリと俯きながら話していく。
「あるじのこと....すき、だから.....」
『....』
「だけど.....好きでいちゃいけない....」
『...どうして？』
「いつも、迷惑そうにしてる...」
『それは三日月達だけだよ。むしろ鳴狐は、私を助けてくれてる。...自分に自信を持て』
「あるじ.....」
『分かったら、もう二度と自分を傷付けないように。...返事』
ニコリと笑うと、嬉しそうに笑い返してくれた。
鳴狐の気持ちは知ってたけど、こういう無茶はやめてほしい。
「ごめん、あるじ....約束はできない」
『...は？え、何で！？』
「いつも、無意識にやってるから....」
返事しなかったのはそういうことか。
....まぁ、地道に直していきゃいいか。
「ごめん...」
『いいんだよ。それより、お腹空いてないか？一緒に甘味屋にでも行こう』
「！！....ああ...！」
お供は安心したように、鳴狐の肩に飛び乗った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 741人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もへ(プロフ) - こんばんは初めまして！読ませて頂きました。とても続きが気になります！これからも無理せず頑張ってください^^ (2019年4月12日 21時) (
レス) id: 3a81a59490 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年1月21日 8時) (レス) id: 88e0097a07 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃ@毒占欲の人 - 全部読ませて頂きました！刀剣乱舞のヤンデレって良いですね。私も同じく書いているのですが、こんなに上手く行かないです。 (2019年1月9日 22時) (レス) id: 8c76c836b6 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 全話読みました。すごく良かったです！続きが気になりますし、審神者も刀剣も共依存になっているのでは？ということも思い浮かんできます。更新頑張ってください！ (2019年1月3日 20時) (レス) id: 7e18d65cd1 (このIDを非表示/違反報告)
篠霧 - ヤンデレ、ありがとうございます とっても好きです。頑張って下さい。 (2018年12月13日 21時) (レス) id: 5b34b7d6f5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みかづち
| 作成日時：2018年11月12日 21時
