愛している【煉獄杏寿郎】

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小さい頃から変わった夢を見る事が多かった。



出てくるのは刀を持った男の人や、私。

たまに母や姉などもいる。

……ような気がする。

“ 気がする ” というのは、起きた時には夢の中で会った人達の顔を殆ど覚えていないから。

靄(もや)がかかったように、よく分からない。

男性は夢で確かに私の名前を呼んでいたし、私も彼の名前を呼んでいた。

だけど起きたら、彼の声も、彼の名前も忘れている。


夢の内容を忘れる……それ自体はおかしくないと思うが、何度も彼が出てくる夢を見る。





だがここ数年、段々と夢が鮮明になってきて、起きてからもなんとなく内容を覚えている事が多くなった。



私は着物を着ていて、あの男性は……何だろう、詰襟の……学ランみたいな……。

その上に炎を象ったような羽織を羽織っていた。


彼と同じ服を着た男の子とも話した。あの服はどこかの制服か何かだろうか。





例の男性が全く出てこない夢も何度か見た。

その夢では、決まって私は泣いていた。



今日見た夢でも、私は泣いていた。

現実の私も泣いていた。

でも、どうしても顔は分からない。



何かが思い出せそうなんだけど……。

何だろう。記憶の奥底にある何か。

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