無限の未来 17th season (ページ8)

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808話ページ8

【大我】

桃「かぁわいい」

黄「お前さ、絶対起こすなよ？」

桃「わかってるよ」

朝から調子はあまり良くなかったAだけど、今日の祭りをなんとか乗り切って、会見も堂々と終えて、全てが終わった時に、その緊張の糸が切れた。

それまで全然大丈夫だったのに、帰る時になって、急にフラッと倒れるもんだから、正直焦ったけど。

いけるって本人が言うから、この後の今日最後の仕事へ、高地と慎太郎と4人で向かう。

桃「色々、無意識に溜め込んでたんだろうね」

緑「…多分ね。本人も気づいてなかっただろうけど」

桃「でも、本当に成長したっていうか…」

無理をしているわけではないと思う。

必要以上に強がったり、無理に自分を作っているわけではないし、Aなりに、できる範囲で最大に楽しんでいるはずだ。

それでも噛み合わない部分は、仕方がないし、俺たちがカバーしてあげればいいって…そう思ってたんだけどな。

黄「気にしてる？さっきのこと」

桃「んー…してなくは、ないよね。っと…」

黄「なに？起きた？」

桃「いや、起きてない。けど、ギュッて…A？A？」

急に俺の服をギュッと握りしめるAに、少し驚いて声をかけたけど、起きる気配は全くない。

ちょっと熱が出てきたかなぁ…。

桃「起こした方がいい？」

黄「熱高そう？」

桃「呼吸がちょっと苦しそう」

黄「体だけ起こしておこっか…」

ここのところ1週間は、寝る間も惜しんで今日のステージに向けてがんばっていたA。

東京ドームという思い入れの強い舞台で、事務所を辞めていったメンバーや、自分たちのデビューを見送ってくれるメンバーへの思いも抱えながら、あれだけ堂々とやってのけたこと。

それがどれだけのプレッシャーか、表には出さなかったAの強さを感じた。

緑「今日のA、めっちゃカッコよかったよね」

黄「カッコよかったなぁ…。アンダルシアとか、後ろから見てて圧巻だったもんな…」

桃「変なプレッシャー、感じさせたくないな。Aには」

きっと、Aに対してそう思っていることは、皆んな同じだったと思うけど、高地だけは“それは俺らもだよ”って笑ってた。