無限の未来 17th season (ページ29)

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829話ページ29

【大我】

Aが、今日は滝沢くんと一緒に楽屋入りをしたところで、朝のワイドショーが頭に浮かんで、大体のことを察した。

けど、それは俺が思っていた以上だったみたい。

社会貢献活動の一環として、Aがデビューの決まる前から取り組んでいることに一緒に参加させたり、少年たちでも、裏方を見せたり。

Aなりに、滝沢くんの旅立った後を、これまで先輩にしてもらってきたことを、“ジャニーズJr.”として返そうとしているのかもしれない。

桃「大丈夫？そんなに背負って」

「うん、多分…これに関しては大丈夫。元々私のやってることに、連れて行くだけやし。やることは変わらない」

桃「そ。ならいいけど。俺らにもできることあったら言ってね？」

「ありがとう。…ごめんね、本当はこんなこと…止めたいでしょ」

Aの言っていることは、図星だった。

ただでさえ、デビューに向けた準備や、それに準じたお仕事、少年たちが終われば、全国ツアーだって控えている。

今も密着は続いているし、Aにとっての負担は、ひとつでも減らしてやりたいのが、俺にとっては理想で。

そこに、今回のことが入ってくるのは、できることなら俺は“やめときな”って、制したかったのが本音。

桃「Aが、“できる”って判断したんだもん。だったら、俺たちも、一緒に覚悟する」

「大我…」

桃「その代わり、早めにヘルプ出すこと。体が大丈夫でも、心がいっぱいになりそうなら、誰でもいいからすぐに言って。それが約束できないなら…滝沢くんが大丈夫って言ったとしても、俺は力ずくで止める」

思っていたよりも強い口調になってしまった感じはあったけど、Aはしっかりとそれに応えてくれた。

「…向き合えるよね、2人とも」

桃「そのために、Aが背中を見せるって決めたんでしょう？」

「うん…」

桃「Aだから、できること。これは、そのひとつだと思う。今Jr.にいる誰よりも長く、Jr.として色んなこと経験したAだから。最後まで、Jr.の価値を、ちゃんと高められるところまで、高めよう」

それが、恩返しになると思うよって伝えた時、Aはギュッと強く、拳を握っていた。