無限の未来 17th season (ページ24)

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824話ページ24

【慎太郎】

昨日から、ついに始まった少年たちの舞台。

ジャニーさんがいなくなって初めての舞台で、俺たちにとっても、デビューが決まってから最初の舞台。

そして俺たちにとって、今回のこの公演は、きっと最後の…卒業の少年たちになる。

「ん゛っ…！ゲホッ…あー…あー…ﾝｯ…」

緑「A、喉痛めちゃった？」

「乾燥かなぁ…ちょっとだけ、変な感じがして」

そう言って準備を進めているAの顔、いつもよりも随分疲れている。

連日本番続きな上に、1公演だけの日は別仕事も入っているからってのもあるけど、これは多分、体調良くない感じだなぁ…。

緑「A、一回手止めて、俺の方向いて？」

「んー？なんでー？」

緑「いいから。ソファおいで…あー、ほら。ちょっと熱っぽい。年上組にバレる前に、熱測っちゃおう」

なんとか嫌がるAを言いくるめると、思ったよりもしんどかったのか、素直に俺の方に倒れてくるAの体。

体温計を挟んであげれば、俺の手が冷たかったのか、ビクッと大きく肩を上げるA。

緑「ほら…やっぱり熱っぽい。ほっぺ赤いのも、熱のせいかなぁ…お、鳴った？」

「ん…」

緑「っと…大丈夫？力入らなかった？」

脇に挟んだ体温計を取り出して、俺に見せてくれようとしたんだけど、カランカランと音を立てて、その体温計がAの手から滑り落ちた。

やっぱりAは熱があって、よく見ればいつもと少し違って、目もうるうるしてる。

微熱ぐらいかな？って思ってたけど、Aの脇から抜き取った体温計に表示されるのは、思ったよりも高い数値。

熱あるってわかったら急にしんどくなったのか、俺の体に預けられる体が、ずしっと重くなった気がした。

緑「どうする？薬飲む？」

「んーん…まだやめとく、今は怖い…」

緑「そっか…じゃぁ、もうこのまま寝ちゃおう。あとでちゃんと起こしてあげるから」

「樹来たら…」

緑「うん、樹来たらお薬飲もうな」

俺の言葉に、そのままソファで目を閉じるAは、だいぶしんどそうだけど、俺の服の裾をキュッと掴んでいる。

なんとか、本番までには余裕持って下がってくれるといいんだけどな…。