無限の未来 16th season (ページ10)

今日:16 hit、昨日:7 hit、合計:81,787 hit

760話ページ10

【大我】

桃「差し入れもらいました。ふるーつ大福だって」

黄「種類結構ある？A寝てるし、食べれそうなやつ取っといてあげよ」

桃「んっとねぇ、パイナップル、マンゴー、苺」

緑「マスカットとスイカもある。あ、マンゴーとメロンもあるけど、Aたぶんパイナップルか苺しか無理だよ」

桃「樹、どーするー？」

青「慎太郎の言う通りで。苺かパイナップルかな。取っといてやって」

桃「りょーかい」

Aが関西を離れて何年も経っていても、こうやって、関西に来るたびにほとんどの関西Jr.が見学をしたいと手をあげてくれるらしい。

去年、グループで大阪に来た時もそうだった。

もちろん、そのほとんどの子が、Aが上京した後に入所した子達なんだけど、それだけAが関西に残したものが大きいことを実感する。

と、そこへ楽屋に来てくれたのは、Aの同期である真鳥くん。

真鳥「お疲れっす。…A、いてる？」

緑「あ、今…寝ちゃってて…」

真鳥「あちゃ。タイミング悪かったかぁ…。もし、起きて時間ありそうやったら連絡もらってもいい？どうしても、直接伝えたいことあるし」

そう言って、サラサラっとメモに自分の番号を書いているこのお兄さんは、今ではもう関西の振付師さん。

2.3人の小さいジュニアの子達を連れて、コイツらにも挨拶させたいしって、爽やかな笑顔がこぼれた。

多分、俺の記憶違いじゃなければ、夏のコンサートで大阪に来た時、Aがお世話してたオーディション生の子だった。

緑「きょも、そろそろ30分前」

桃「ん？あぁ、ありがと。お、Aも準備できてるじゃん」

「うん、ラスト。気合い入れて…！」

あと一公演。

この公演に向けても、公演中も、色んなことがあったし、本当に色んなことを考えた。

自分の周りの世界に対する、難しさも、怖さも押し寄せて、Aに不安な思いだってさせてしまった。

けど、ステージを重ねるほど、大丈夫だと思えるようになってきたのは、どんどん力強く、頼もしくなるAの変化を見てきたから。

衣装に着替えて、気合入れをして、グッと抱き寄せたAは、もう初日みたいに、震えちゃいなかった。