無限の未来 16th season (ページ24)

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774話ページ24

【樹】

青「ドラマ、落ち着いたって？」

「うん。来週2日間は終日があるけど、それ以外は、チョロチョロ。週に1回とか。藤ヶ谷くんは、まだ忙しそう」

青「あー、藤ヶ谷くん忙しいのかぁ」

Aと一緒に実家へ帰るのは久々。

Jr.祭りが決まって、なかなかオフの重なることのなかったAと、ほぼ入れ替わりでドラマがクランクインして忙しくなる俺と、3日もオフが被るんだから、ゆっくりしたい。

そこへ、ちょうどタイミング良く鳴った聖からの連絡は、Aが落ち着いたら…と、随分前に約束してた夢の国へ行こうっていうもの。

うちの家族のことが大好きなAは、二つ返事で“千葉帰ろう！”って…俺の実家だっつーの。

「樹くん、ゆーっくり帰りたい」

青「えー？んじゃ下で帰る？」

そう聞いたのに返事はなくって、隣を見れば、コテンと窓に頭を預けて眠るA。

マスクで見えないけど、多分口は半開き。

ついこの間までドラマが忙しく、あまり寝れずに、疲労で熱まで出していたのを知ってるから、無防備に眠れているだけでも安心する。

実は少し前に、どうしても心身ともにしんどくなってしまった時があったA。

ドラマの疲れか、ツアーが無事に終わった虚無感か、何がそうさせてしまったのかは分からないけど…。

そんな中、ドラマが終わったらしばらく休みたいと、ほぼ初めてに近い、A自身からのギブアップが告げられた。

そんな時に決まっていたのが、Jr.祭り。
もう少しだけ踏ん張ろうと、マネージャー陣や滝沢くんが背中を押してくれて、なんとか今、Aは前向きでいられている。

今回のお休みも多分、マネージャーさんや滝沢くんが無理して作ってくれたのだろう。

青「A、そろそろ着くよ」

「んっ…」

青「あと10分くらい～」

大きく伸びをして、車椅子に移乗する動作は、もう慣れたものだ。

家に着いてからは、クラッチに持ち替えてコツコツと歩くAは、しばらくプライベートの義足をおやすみ中。

今はA自身、義足をしない方が心が楽だというから、ここのところはずっとこのスタイル。

このオフで、少しでも気持ちが楽になったらいいんだけどな。