無限の未来 16th season (ページ21)

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771話ページ21

【慎太郎】

東京ドームの舞台に立てる、そのことだけでも嬉しかった。

その中で、SixTONESを中心に作れたらと言ってもらえたことは、嬉しさしかなかった。

資料を片手に、全員ワクワクが隠しきれなくて、中でもAなんて、ソワソワしすぎてマネージャーさんに、落ち着いて！って言われるくらい。

緑「19年ぶりだと…Aでも、まだ事務所入ってないくらい？」

「うん、まだ全然入ってない。多分ね、今回出る人、1人もあの頃は入所してないよ」

緑「へぇ～、さすがお局」

「うん。え？は？」

当時の映像とか、資料もいくつか見せてもらったり、これまでの先輩たちのライブで、東京ドームでやったものを振り返って、懐かしさが込み上げる。

その中には、Aが前に話してた城ホールのコンサートもあって、確かに目を凝らせば、そこにはちっちゃい頃のAが映っていた。

「ホント見んといて、やめて、止めて！」

黒「いや、画像めっちゃ粗いけど、身長でわかるもんね。ズバ抜けて小さい」

緑「こっちは？もう入所後？」

「ねぇ、ほんまに恥ずかしいからやめれる？」

ひとつずつ見進めていくと、KAT-TUNさんのコンサートで、7人の手が止まった。

これが、俺たち7人が一緒のステージに立った、最初のステージだった。

まだ、B.I.Shadowだった、北斗。

Hip Hop JUMPだった、ジェシー、樹、A。

所属するグループのなかった、きょもと、俺。

そして、まだ研修生で、オーディションの真っ最中だった、高地。

「うらやましかった、慎太郎のこと。ドームの真ん中で。ずーっとKAT-TUNについてきたのは私なのに！って思ってた」

緑「俺は逆に、グループでいられる4人がうらやましかったよ」

「いやぁ、ないものねだりだよね」

あの頃は、周りが羨ましくて仕方なかった。

あいつが羨ましい、アイツみたいになりたいって、そんなことばっかり思ってた。

でもそれは自分だけじゃなくて、他のやつら…というか、Aたちも同じだったんだって、これだけの時を経て、ようやく分かった。

「あの頃みたいに、目の前のことを全力で楽しむのも、悪くないよね」

Aの笑った顔が、やけに眩しかった。