無限の未来 15th season (ページ42)

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742話ページ42

【高地】

花粉症のアレルギーからくる喘息は、そんなに酷くなることはなく、明日は早朝から仙台入り。

荷物の準備も整って、あとは体力温存。

「高地、お先にー」

黄「ん。樹も北斗もちょっと遅くなるらしいし、先寝てていいからね」

「ん、ありがと」

明日は本番だし、ゆっくり目に風呂に浸かって、体を楽にしておく。

思いの外、長風呂してたみたいで、風呂から上がると樹も北斗も帰ってきていて、Aはもう寝ていた。

青「気持ちよさそーに寝てたわ、A。…俺の部屋で」

黄「あ、ほんと？明日ハードだからねぇ。…寝る前、ちょっと不安そうだったし、よく見ておいてあげて」

青「ん、オッケー」

Aがあらかじめ樹の部屋で寝るのは、そんなにあることではない。

最近、大きく体調が崩れることはないんだけど、ぼんやりと、色んなことに対して不安が重なっている様子のA。

黒「高地？」

黄「ん？あ、ごめん。なんだった？」

黒「いや、なんか、ボヤッとしてた」

黄「うん。A、ちょっと最近不安そうだからさ。ドラマもまだ続いてるし…」

そう言いながら、俺が手に取ったAの体調管理ノート。

“1日しかない仙台公演。失敗したくない。何も、起きませんように…”

かわいらしい、見慣れたAの丸文字で、そう記されていた。

北斗にそれを見せると、やっぱり思うことは同じみたいで。

黒「これは、体調、良くはないね」

黄「ですねぇ…」

黒「っと、ごめんよぉ…。あ、やっぱり。薬も予備で入れてあるわ」

青「北斗、お先。…ん？」

樹に、Aの体調があまり良くないことを話せば、ちょっとだけ顔が曇ったけど、大方予想はしていたみたい。

ドラマの撮影はピークを迎えているし、今回はメインどころの役でもあるから、4月に入ってからは、主演の藤ヶ谷くんとの番宣も忙しさを増していた。

そこに加えて、普段通りの雑誌撮影やレギュラー番組の収録と並行して、仙台の追加公演。

見事に色んなことのピークが重なっていた。

黄「とりあえず、明日はAだけじゃなくて、7人全員で全力尽くせるように。ね？」

俺だって、不安がないわけではなかったんだ。