無限の未来 15th season (ページ11)

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711話ページ11

【ジェシー】

結局あの後にAは、自分の意思で後半の撮影を欠席すると決めた。

本当は出たい気持ちもあるから、まとまらない感情を俺のお腹にグリグリと頭くっっけて整理してたけど。

赤「A、終わったよぉ～」

「ジェスの声は、うるさいから、補聴器外してても、わかりやすいね」

赤「それなら、今度からは、北斗の手話じゃなくて、俺が大声で通訳してあげるよ」

「嫌や、遠慮する」

俺たちの次の仕事のために、迎えにきてたマネージャーのうーちゃんと、撮影の様子をモニターで見ていたAは、ここが面白かったよって教えてくれた。

うーちゃんが言うには、さっきまではグッタリと寝ていたけど、それと比べたら、少し体調も回復してるみたいだった。

補聴器、取って？と言われたので、机の上にあったそれを手渡せば、スッと器用につけられる。

瑞稀「SixTONESさん、俺ら次の仕事すぐなんで、先出ます。今日はありがとうございました！」

涼「Aねぇ、分かってると思いますけど、次の仕事も無理しないでくださいよ？」

「ごめんねぇ、涼。瑞稀も、サポートしてくれてありがと」

赤「2人とも！俺らからも、ありがとね。マジで、最近HiHiが居ると、すげぇ心強いのよ」

呼び止めたら悪いかなって思ったけど、最近のAにとって、彼らが本当に支えになってるのは、すごく感じてたからね。

「ジェス、私たちも、そろそろ出るって～」

赤「はいはぁ～い」

「涼たち、なんか言ってた？」

赤「いや、別に。なんで？」

「んーん。急になんの脈絡もないメールが2人からきてたから、なんか言ったんかなって思っただけ」

不思議そうにAが見せてくれたメールには、“俺らだって守れるよ”っていうメッセージが、2人から。

「なーんか、昔の昔に、慎にも同じようなこと言われた気がするなぁ」

赤「慎太郎、橋本っちゃん、瑞稀…」

「スノプリだねぇ。なんか、懐かしいね。わぁ！ちょうど10年前だよ、笑っちゃうね」

くふふっと笑っているAの横顔に陰りはなくて、ホッとしている自分がいる。

10年前、Aがちっちゃな体で守った3人は、ちゃんとそのことを分かってるんだね。