無限の未来 15th season (ページ50)

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750話ページ50

【慎太郎】

Aと、久々のオフ被り。

もしかしてと思ったけど、予約していた美容院は行けば、隣に座るのは知った顔。

「居るような気がしたんだよね～」

緑「いや、このタイミングしかないかなって思って。俺もAいるだろうなって思ったわ！」

宮城からの帰り道、俺は別仕事があったから皆んなと一緒には帰れなかったけど、本当にすてきなファンの子に会えたって話を聞いて、俺もすごく嬉しかった。

やっぱりオフとはいえ、どこかのタイミングで一緒にいれば仕事の話になる。

最近のAは、また少しずつあのライブを境に、体のことは置いておくとしても、前向きに仕事と向き合えているような気がする。

「前向いて、進んで。でもさ、その分後ろに道がどんどん増えていくじゃない。私さ…それが、不安な人なんよね」

緑「え、どういうこと？」

「進んできた道って、絶対に無くならなんやろ？その分、私は怖くて。その時は必死にその道を選んで、駆け抜けるんやけど…ふと後ろを見たくなっちゃうんよね」

緑「それはAの性格上、仕方ないのかもね。大事なのは、それで、後悔したことはない？ってとこだと思うわ」

そう言えば、後悔したことは一度もないっていうんだから、きっとそういうことだと思う。

昔は強心臓だったのに、って言われることの多い最近のAだけど、本当は昔からずっと、心配性で、慎重派だ。

「YouTube始めて、アイランドTV始めて…先輩たちもやったことのないことしてるやん？」

緑「んだねぇ」

「楽しい。ってか…なんか、滝沢くんの言ってた意味が、少しずつ理解できてきた。し、少しは体現できてんのんかなぁって」

緑「道標に…ってやつ？」

「そう。SixTONESは、SixTONESのままでいいよってのも。お前たちはそのままでいいって」

“デビューをしたい”という想いを、持っていないわけではない。

最後の賭けだと、これで終わりと思ってから、気づけばもう5年目。

他のメンバーは、どう思っているんだろうって、時々ふと思うことがある。

聞けばいいじゃないか、って言われたらそれまでなんだけど、知るのが怖い自分もいる。

タイミングって…難しいんだ。