無限の未来 15th season (ページ24)

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724話ページ24

【慎太郎】

「いきまっしょいっ！」

緑「っしゃぁ！ぱわぁっ！」

別に横アリの舞台に立つのは、初めてじゃない。

でも、やっぱり初日は少し独特な雰囲気があって、ソワソワしてしまう。

青「いい？はしゃぎすぎない！安全第一だから！」

「りょーかいっ！」

緑「A、ちょっとでも変なことあったら、周りの誰かね！メンバー以外でもいいから！」

「あーいっ」

午前の軽いリハのあと、休憩をとって、いつものルーティンに入るAは、フワフワしてこそいるけど、しっかり本番に意識が向いていた。

最近の本番は、ガッチガチに緊張してることだって少なくはなかったけど、今日はそんなこともなく、いい緊張感。

いつも通り、樹のところへいって、ぎゅーっと樹の胸に収まるA。

ふーっとひとつ息を吐いて、左足を、3回。

“コン、コン、コン”と聞こえてくるその音も、何度も耳にしてきた。

緑「ん」

「ん」

本番直前、交わす言葉なんて、もうほとんどない。

交わすのは、拳だけ。

スタンバイして、音が流れて…会場が見えた瞬間、その景色に、思わずゾクっとした。

隣を見れば、Aが俺の方へと目を向けていて、そして、ニヤリと笑った。

この曲で、この登場をしたいんだと、最初から最後まで引かなかったのは、Aの今回一番のこだわり。

始まってしまえば、後先考えることなんてなくって、それはきっと、Aも同じだった。

ジャケットを手に取って、鏡を蹴っ飛ばす姿なんて、男の俺だってかっこいいとさえ思った。

「よかったっしょ？これ、こだわって」

緑「お見それいたしました」

Amazing!!!!!!の、樹のソロ前。

不敵に笑ったあの表情で、満足気に俺に耳打ちしてきたA。

Aの足のこともあって、一度は反対をされた、上から降りてくる演出。

足を高くあげる振り付けを加えるのだって、本当にいいの？って、何度も確認されていた。

“だって、その方がカッコいいじゃん？”

このツアーを創っていくなかで、Aが何度も口にした言葉だった。

その通りだよ、A。

俺たち、今最高に、カッコいいよ。