無限の未来 14th season (ページ48)

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698話ページ48

【高地】

黄「北斗、どう？」

黒「ありがと。だいぶ楽。平熱まで下がったし。それより、Aは？」

黄「酸素チューブとお友達。まぁでも…だいぶ落ち着いてはきたよ。安心して」

だいぶ熱が下がって、顔色も良くなってきている北斗の回復力とは対照的に、ゆっくりペースなAの回復。

なかなか思うように戻らない体調に、ちょっぴり機嫌は損ねているけど、今の北斗には内緒かな。

黒「ね、高地ー？」

黄「なにー？」

黒「ハードだった…最近…。充実はしてたし、仕事はしてたいんだよ。むしろ、休みが多くなった方が…俺はしんどいし」

仰向けのまま、腕で目を覆って話す北斗の声には、あまり感情が乗っていない。

だから、何を意図してるのかは解らないけど、とにかく今は、吐き出してくれればそれでいいかな、とも思ったり。

黒「高地…Aがバスケしてるところ、見たことある？」

黄「えっ。迎えに行ったことはあるけど…」

黒「また…見てあげて。あいつ、すっげぇ楽しそうだから」

黄「どーした、急に」

黒「んー？いやさ、Aもドラマで忙しいのに…役作りにつき合わせたりして、ハードにさせちゃったかなって」

北斗曰く、Aは普段、舞台やドラマの仕事が入るときには、バスケをお休みしていたみたいで。

ただ、今回は北斗が役作りのために、Aの所属するチームでお世話になっているから、北斗が顔を出しやすいよう、休まずにバスケにも通っていたみたい。

黄「お前は…ただでさえネガティブ野郎なんだから。今は余計なこと考えなくていーの」

黒「うるせぇなぁ…」

黄「大丈夫だよ。Aは生きてる。バスケだって、アイツがやりたくて始めたことだし。アイツは、アイツの幅の中で、最大限を探してんだよ」

今回みたいにうまくいかないことはあるけど、それもそれで一つの経験。

“生きてさえいれば”

それは、北斗が最初に言い始めたことだった。

黄「楽しそうなんだろ？バスケしてる時のアイツ」

黒「うん…楽しそう」

黄「また一緒に行ってやれよ。“ほっくん、たくさん褒めてくれる”って喜んでたから」

そう伝えれば、北斗はそっぽ向いたまま、小さく頷いた。