無限の未来 14th season (ページ47)

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697話ページ47

【北斗】

どこで何を拾ったのか、久々に熱を出した。

幸い俺は、インフルエンザの検査もしたけど陰性で、結局点滴をしてすぐに熱も下がってくれた。

とはいうものの、まだ微熱が続いていて、喉を痛めたのか、声も少し出にくい。

同じく体調を崩していたAは、呼吸の状態もあまり良くなくて、少し下がったとはいえ、まだ熱も高いままだ。

結局、2人もいないとなると…ということで、今日の仕事はなんとか明日に回してもらえることになった。

赤「今日は、休養日！ね？せっかく地方来たんだし、ゆっくりしよう」

「ごめん…」

黒「俺も…迷惑かけた」

緑「いーいーの。俺たちも、無理させちゃったところあるし」

幸い、延期という形で段取りを取ってもらえたわけだし、今回ばかりは仕方のないことだと、割り切るしかなかったが、落ち込むAの気持ちもわかる。

俺だって、申し訳なさでいっぱいだから。

黒「A、悔しい…？」

「め、わく…かけ、る…」

黒「んだね。俺も、悔しい。でも…ほら。Aの体はまだあったかいし、脈だって飛んでる。息、苦しいでしょ？」

「…うん」

思ったよりも、素直に自分の不調を認めるAが全てだった。

だから、本人だって理解してないわけじゃないんだと思うけど。

黄「A？A、本当なら昨日…すぐにでも救急車呼ばなきゃダメなくらいだったんだぞ？お兄ちゃん来てたの、覚えてないでしょ？」

青「まぁ、体調悪化したのは、急だったんだけどね。でもね、そのくらい体が、“休んで！このままは怖いよ！”って言ってんだと思う」

その辺りは、俺もしんどかでよく覚えていなかったけど、Aは、病院へ向かう3、40分の間に急変していたらしい。

お兄さんが病院へ駆けつけてくれたことも、覚えていない、つまりは、それほど意識が朦朧としていたんだろう。

それに、きっとお兄さんを呼んだということは、少なからずフラッシュバックもあったんだろうし。

黄「その代わり、明日が最後。明日までに、絶対回復させること。2人とも頑張ろうな」

厳しくも、優しい、最年長からのお達しに頷くAと一緒に、俺もまだ少しだるい体をベッドに預けた。