無限の未来 14th season (ページ41)

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691話ページ41

【大我】

冬の寒さ、部屋の暗さ、判断のつきにくい状況…少し考えればわかったことだった。

Aが寝ているベッドの側には、あの時俺が渡したのと同じカフェオレがあった。

「んっ…んぅ……っ！」

緑「あ、A起きちゃった」

ガバッと起き上がって、そのままフリーズ状態でボーッとしているAの手は、カタカタと震えていた。

側には一応、慎太郎がついてるけど…大丈夫かな。

と、いなかったはずの樹が、急にカーテンから飛び出してきて、逆ドッキリをするもんだから、俺たちもビックリ。

桃「A～、ごめんね、うるさかったね」

緑「寝てていいよ、おやすみぃ～」

Aの異変に真っ先に気づいたであろう慎太郎が、うまくカメラを誘導して、Aが映らないようにしてくれる。

笑っておちゃらけてるけど、樹の目には、怒りと、後悔が滲んでいた。

青「Aっ！」

全てを終えて、それぞれの部屋に戻ろうとすれば、ベッドで耳を押さえて小さくなるAが目に入って、樹がすぐに駆け寄る。

あぁ、申し訳ないことしちゃったなって、その時ようやく俺の頭が切り替わった。

桃「A、落ち着いて…よく見て？大我だよ？」

「んんっ！やっ…！ｯﾊｧ」

青「ん、ごめんごめん。大丈夫。目閉じてていいからね…泣かない、泣かない」

桃「樹の香水、振る？」

シュッと香水を一振りすれば、目を閉じている分、だんだん香りで理解し始めたのか、少しずつ樹の方へ体が預けられる。

まだ体の震えは止まらないけど、一応、俺たちがここにいることは理解できてきたみたい。

緑「人、たくさんいても怖いだろうし、俺たち一回戻るね。きょもも、居てあげて？」

桃「ん、わかった」

青「ん？怖くない、怖くないよ」

「じゅり、くん…？ｯﾝ」

樹の顔を、ジーッと見つめたあと、俺の方を見て、なんとか回らない頭をフル回転させているA。

“大我くんだぁ…”って、理解したのと同時にフニャっと笑ったAを見て、少しの後悔が込み上げた。

寝起きドッキリだったことを理解して、“なんだ、怖かった～”って笑うAに、嫌な記憶が残らないように、樹と2人でギューっと抱きしめた。