無限の未来 14th season (ページ33)

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683話ページ33

【北斗】

黒「はい。義足外して？」

「んー…」

最後の最後、エキシビションマッチまで存分に楽しんだお嬢さんは、痛みが出たまま、ゲームに参加。

そのまま披露した曲も、特に大きな問題はなく終わりを迎えたものの、やっぱり気になるのは、足を引きずるような仕草。

フラついてから痛み始めたって言うし、念のため楽屋に戻ってすぐ、怪我をしてないか確認すれば、特に怪我らしい怪我もなく。

「今痛いのは幻肢痛だやから、どーしようもないよ」

青「ありゃ、やっぱり痛くなっちゃってたか。途中、よろけた時にやったか？」

黒「気づいてたのな」

それよりも気になるのは、さっきから頻繁に上下するAの肩。

さっきまでは気になるものではなかったが、楽屋に戻ってから、次第にっていう感じ。

側にいた樹に目配せすれば、スッと出てくる酸素計。

カケラも拒否する素振りを見せずに、徐々に自分から前屈みになって大きく息を吸う姿からすれば、自覚症状あり。

「ほっ…く、…ｯﾊｧ」

黒「苦しい？」

青「急にきたな。そんなに酸素下がってないけど…。A、こっち。もっと体預けていいぞ。服だけ緩めるよ？」

Aの手元で光る数字は、樹の言う通り、そんなに低い値を示しているわけでもない。

それでも無抵抗にされるがままで、樹に体を預けているあたり、しんどいのは確定。

腕を取れば、少し脈が早い気がしないでもないけど…いつも通りっちゃ、いつも通り。

先にシャワーに行ってたメンバーも、Aがこんな感じだから、若干戸惑っているけど、戻ってすぐにAの荷物をまとめてくれる。

青「ちょっと楽になってきたか？」

黒「んーね。確かにさっきよりはマシかも。A、どう？楽になった？」

「(ｺｸﾝ)」

青「あ…お前、これ完全に貧血だろ。手、冷たい。あん時フラついたのも貧血のせいだろうな…」

久々の収録で緊張もしてただろうし、急にたくさん動いたからなぁ…なんて俺は思ってたんだけど…。

後になって、最近忙しくて俺たちと食事を一緒にしてないのをいいことに、最近あんまり飯が食えてないと分かった途端、久しぶりに高地から雷が落ちたのは、言うまでもない。