無限の未来 14th season (ページ31)

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681話ページ31

【高地】

珍しく、押すことも巻くこともなく進んでいく順調な収録。

次の出番までの間、Aもまったりと楽屋でくつろいでいて、なんなら、薬飲んだあとだし、今にも寝そうな勢い。

黄「くつろぐのはいいけど、ちゃんと起きててよ？」

「んぅ…なんか、薬飲んだら…眠たくて…」

黄「ん。分かってっから。ゆっくりはしてな？ただ、今日ゲームあるからね」

「…あ、それとって」

そう言って、Aが求めるのは今日の進行表。

パラパラとめくって読んではいるけど…頭には入ってないでしょうね。

ポヤーっとして、時々ユラユラと船を漕いでいる。

黄「Aー、多分、順調にいけばもうあと10分ぐらいでゲームコーナーの準備入るよ？」

「んっ…」

黄「ねぇ、体調悪いの？昨日寝れた？」

「体調も悪くないし、昨日は寝れてるよ。ほんまに、副作用なだけやから、心配しないで」

ニコッと笑うAに嘘はなさそうだし、樹や北斗も慌てないあたり、放っておいてもいいけど、やっぱり年下のAのことがどこか心配になってしまう。

高地、過保護すぎ！なんて慎太郎は笑ってるけど、お前らだって、似たようなもんだからな。

「A、着替えてくんね」

青「白パン、白シャツ…Aは中が黒のチューブトップ。ジャケットも白ね！」

「はぁーい！」

青「ほんとに頭入ってんのか、あいつ…」

黄「言っても、ラックにワンセットでかかってんだから間違えねぇだろ」

衣装替えから戻ってきていなかったお嬢は、直接ステージへ向かわれたようで。

真剣な顔つきで、河合くんと打ち合わせをしている姿は、さっきまでの楽屋での甘えん坊Aちゃんとは全く違っていた。

なんだろう…今日に限って、ものすごくAのことが気になってしまう。

黄「大丈夫そ？色々と」

「珍しいね。なんか今日の高地、普段じゃ考えられへんくらい、心配性」

黄「分かんないけど、なんかザワザワすんだよね」

「それを私の前で言う？」

“それだけ警戒してくれてたら、何かあってもすぐ助けてくれそうだね”なんて、冗談言いながらスタンバイに向かうAを見て、俺も首を傾げてしまう。

俺の、気のせいかな…。