無限の未来 14th season (ページ4)

今日:1 hit、昨日:21 hit、合計:79,286 hit

654話ページ4

【慎太郎】

昼飯を食って戻ると、まだ赤い顔をして眠っているAと、その横に寝そべる樹。

緑「おい、樹。起きろ。午後のリハ」

青「んぁ～」

緑「A、リハ、行けそう？(ﾄﾝﾄﾝ)」

「…？」

まだ寝起きで、俺の声が耳に届かないAに、もう一度大きく口を開けて、“リハ、行ける？”と聞けば、ちょっとだけ赤い目で、強く頷くA。

今年は、もちろんJAPONICA STYLE。

リハは、滝沢くんも見守ってくれていて、さっきの全体のリハでは見られなかった、滝沢くんと話すAの姿。

樹が、こっち見てニヤッと笑うのが、よく分からなかったけど、まぁきっと、何か声をかけてくれたということで。

「これ、いつも通り…センステまで、樹くんと慎の間から行ったらいいんよね？」

緑「うん、そうそう」

青「多分結構暗くなるね、これだと。大丈夫そう？」

「んー…いけるかな？樹くん蛇？」

青「んー、俺は人間…？」

ボケなのか本気なのか分からないけど、しっかり打ち合わせを重ねて、リハーサルを進める。

ジャニーズJr.で、単独でこのステージに上がらせてもらえるのは、当たり前じゃない。

それは、去年すでに経験していることだ。

今年は、放送前の自分たちのステージに始まって、東山さんを始めとする先輩のバックにもついて、タキツバの最後のバック。

緑「緊張してんだろ」

「緊張しない理由が分かりません」

緑「もう夜までリハもないし、どうする？」

「今日は、大丈夫。そんなにしんどくもないし」

ホントに？なんて、少し疑いの目を向けながら熱を測らせれば、朝よりだいぶ引いてきていて、本人も楽そう。

「慎…ありがと」

緑「え？なになに？俺、なんかした？」

「んー…なんか、ちっちゃい時の夢見た。多分、演舞城やな、あれは…」

緑「あら、懐かしい。あ！ねぇ、MV。あれ、演舞城でしょ？」

MV撮影の個人カットでAが出した演出、ずっと気になってたから聞いてみれば、ちょっと恥ずかしそうに頷くA。

“義経、初めて見た時から憧れだったんよ”って。

照れた表情でそう言うAが、ここ最近の大人っぽい表情に慣れていた俺には、どこか新鮮だった。