無限の未来 14th season (ページ28)

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678話ページ28

【北斗】

久しぶりの少クラ収録。

可愛い後輩の部屋に居座っているのは、多分俺たちがHiHiの楽屋に行ってろって言ったからって理由だけじゃない。

談笑する彼女の前に、補聴器がひとつ転がっているのは、この2人なら、外していても大丈夫な証拠。

ほんと…頼れる後輩だこと。

涼「Aねぇ、人見知りしないでよ？」

「し…しないよ…」

黒「あなたは、何で4つも下の子にこんな心配をされてるのよ」

「だって人数多いんやもん…半分くらい、ほぼ初めましての子やし…」

そう…この子は極度の人見知り。

俺も人見知り族だから、気持ちは分からないでもないけど、Aは、俺から見ても重症だと思う。

そんな中、今日は後輩がしっかりバックについての、Aの大好きな先輩、KAT-TUNさんの曲。

黒「色々と緊張する要素が固まってるけど、言っても仕方ないからね。ほら、そのうちリハだから行くよ」

涼「もう、そろそろ時間。Aねぇ、諦めなよ。はい、行ってらっしゃーいと」

「瑞稀ぃ…」

瑞稀「残念ですが、俺も同意見です。ほら、時間ないですよ？」

楽屋に戻れば、Aが懸念していた通り、樹や慎太郎が何人かのチビちゃんたちを連れてきていて、固まるお嬢。

キュッと俺の手を握ってくるお嬢を見て、高地や京本は、色々察したのか苦笑い。

黄「別に放っておきなさいよ、あいつらが遊んでるだけだから」

黒「ほら。あなたは衣装合わせてきなさい？何なら一緒に行こうか？」

「…ほっくんも、ここ居辛いやろ。一緒に行こう」

彼女の言う通りな部分もありつつ、なんとなく緊張し過ぎなAが心配な部分との2面なんだけど。

「わぁ～！イメージしてたまんま！ほっくん、どうかなぁ？」

黒「おぉ…ずいぶん思い切ったな」

治療が終わり、これまでの衣装をマイナーチェンジさせている途中のA。

真っ白なアラジンパンツに、Aお得意の、アシンメトリーの黒い腰マント。

俺が驚いたのは、上のジャケットがベストになっていたこと。

治療で細くなってしまった腕を、隠すようにオーバーサイズのジャケットを貫いていたAだったから。

これもまた、彼女の、新たな挑戦だった。