無限の未来 14th season (ページ27)

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677話ページ27

【大我】

今日は月イチの少年倶楽部の収録。

珍しく、今日の移動車はAが俺の隣。

なんだかんだ、隣になれば甘やかしたくなっちゃうのが俺。

桃「着いたら起こすから、寝ててもいいよ？あと、移動車くらいは補聴器外してもいいんじゃない？」

「お言葉に、甘えて」

そう言われて預かる補聴器は、一つだけ。

楽屋入りすれば、小さい子達だってたくさんいて、その中にはAのことをまだよく知らない子も多い。

またつけることにはなるんだろうけど、せめて今くらいはね。

黄「コンビニ寄るけど、大我も降りる？」

桃「んー、この状態なんだよね」

黄「珍しい相手に甘えることもあんだな。まぁ適当になんか買ってくるわ」

桃「さんきゅー」

高地が買ってきてくれた、俺とA用の諸々の中に入っていたのは、Aの好きな…なんだっけ、ブラウニーか。

飲み物にいつも飲んでるココアが買ってないあたり、俺が気づいてないだけで体調悪い？とか思ったり。

黄「なに百面相してんの？普通に、さっき結構食べてたし、ココアならNHKホールにあるから、身体冷やさないように、あったかい紅茶買っただけ」

桃「…なんかそこまで読まれると、気持ち悪い」

黄「うるせぇな、黙ってお前用のもん食っとけよ」

Aにはあんなに優しいのに、俺には辛辣な高地もいつも通り。

ホールに着けば、気持ちよさそうに眠っていたAは、いつもよりすっきりした目覚め。

寝起きの悪いAにしては上出来すぎる。

桃「寝てないでしょ、A」

「目は、閉じてた。眠れなかった」

桃「もー」

「けど、大我くんの膝、気持ちよかったよ。ありがとう」

通い慣れた楽屋は、まだ少しひんやりとしていた。

なんか、よく分からないけど、直感でこの寒さはまずいかも…って思ったのは、俺だけじゃなかったみたいで。

桃「A、まだ部屋寒いし、風邪ひくといけないから、HiHiの楽屋行ってな」

「んー？涼もう来てるかな？」

桃「さっき瑞稀いたし、いるんじゃない？」

「わかった～」

樹に目配せすれば、手を合わせて“さんきゅー”と口パクで。

やっぱり、嫌な感じがしてたのは、俺だけじゃなかったか。