無限の未来 14th season (ページ19)

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669話ページ19

【大我】

桃「ギリギリまで、横になってな？」

「ん。だいじょーぶ」

桃「ならいいけど、一応座っててよ。顔色最悪」

「わかってる…」

まだ痛みも治まってないだろうけど、多分そろそろ、アドレナリンで乗り切ろうと覚悟してるんだ。

頼みの綱の橋本っちゃんは、すでに出番が来ているので、ここにいるのは俺たちと、SnowManだけ。

青「うし。行くぞ」

「おっけ…よし。いける…」

さすがの本番力で、何事もなかったようにJAPONICA STYLEを歌い上げたA。

裏に捌けてすぐお腹温めてるあたり、多分まだ相当しんどさは残ってるんだろうけど、こればかりは仕方ない。

本人も、女だから…っていうのは悔しいだろうし、心配はするけど、俺はこの期間、Aのやりたいようにやらせておく。

それが、俺とAの昔からのこのタイミングの関係だ。

「大我くん、トーク…隣よな？」

桃「うん。俺と、こーちの間がA」

「もしかしたら、頼るかも…」

青「え、そんなしんどい？まだ曲もトークもあるけどいける？」

「なんとか…がんばる。でも、あんまり…トークは振らないでもらえると…」

普段から、高地や樹には自分から頼ったり、SOSを出すことも多いけど、俺に言ってくることはほとんどない。

まして、今は本番中。

いつもなら、アドレナリンである程度は乗り切れるのに、この状況。

だから俺だけじゃなくて、それを側で聞いていた他のメンバーも、驚きが隠せなかった。

黄「Daybreakerだけ出て、あとは辞めとく…？」

緑「っと…とりあえず、一回座ろう」

桃「…出るんでしょ？大丈夫。椅子、用意してもらえるようにするから。その代わり…」

本当は、そんなことしたくないけど、結論として、トークの時には、義足を外して出ること。

最初、トークの時間が長くなるのなら、椅子を用意して欲しいと伝えた時、スタッフさんから言われたことだった。

一人だけ椅子なのは、違和感があるからって。

要は、椅子を使わなきゃいけない理由を明確にさせろってことなんだろうけど…。

「わかった、外す…」

渋々了承するAの悔しそうな顔に、まだ俺らは立場が弱いと思い知らされた気がした。