無限の未来 13th season (ページ44)

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644話ページ44

【北斗】

赤「たとえば光を奪われても～♫」

「君は見える～♪」

赤桃「I hold you I kiss you♪」

3人「さぁ、旅立とう♫」

樹を先頭にステージに向かう途中、何かしてないと落ち着かないのか、廊下で軽く歌い出す後ろの3人。

その優しいハーモニーが、胸にストンと落ちて、普段なら落ち着くけど、今は緊張が少しだけ高まる感じがしていた。

それは、歌ってた張本人であるAも同じだった。

黒「やばぁい。アホみてぇに緊張する」

「ホンマにそれ。ヤバい、さっき覚えたの全部飛びそうやわ…」

青「え？ここ左から？」

袖に着けば、その緊張は全員高まるばかりで、Aなんて、お腹痛い…とか言ってしゃがんでる。

普段なら不安になるところだけど、Aの場合、緊張での腹痛は、声かけたりした方が余計にビビって気になるの知ってるから、そっとしておく。

とは言うものの、俺も樹も、すぐ横でしゃがみ込む、青白い顔したAが気になって仕方はないけど。

桃「大丈夫。もう、全員何も考えるな。Aも。頭で考えるから分かんなくなるんだよ、いける。あんだけ体に染み込ませたんだから」

「大我くん…」

桃「A？Aには、経験っていう武器がある。場数だけなら、Aが一番踏んでるんだ。それも、圧倒的な数」

桃「たった6歳でタッキー&翼のバックに立ったなんてやつ、後にも先にもAだけだよ。一番長く、ジャニーズとして、アイドルしてるんだから。ね？」

普段、そんなことあまり言わない京本の言葉。

Aの前で、アニキらしさを見せる京本に、ちょっと驚きながら彼の方を見れば、ちょっとだけ震える手で、Aの頭を撫でていた。

そりゃそうだ。

京本だって、飄々としてるように見えるけど、緊張するわな。

黒「A、そろそろ行くよ。立てるか？」

「…よし。行く」

黒「もし、万が一、何かあったら…」

「うん、合図する」

青「うし。今日も…」

3人「生き抜けっ！」

あっという間の20分。

ガムシャラに、一瞬で過ぎゆく20分を、駆け抜けた。