無限の未来 13th season (ページ37)

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637話ページ37

【ジェシー】

青「30分くらいで、先生往診してくれるって」

赤「良かったね、A。ん？寒い？毛布かけておこうね」

今日の収録は夜。

打ち合わせのために早くきたけど、本当に早めで良かった。

しばらくすれば、焦った顔の福澤先生が楽屋に来て、慎太郎の腕の中のAを診察していく。

Dr.「慎太郎くんに抱っこしてもらったままでいいからさ。お熱もう一回測れる？…酸素低いねぇ。樹くん、今日ってもう、吸入薬使った？」

青「朝、家でネブライザして…こっちに来てからも、2回。4吸入…」

「て、てき…ｯﾊｧ、いや…しご、と…ｯﾊｧ」

Dr.「んー、それはちょっと聞いてあげられないなぁ。多分このままだと、大きい発作が起きるのも時間の問題。A、足は？痛くない？」

「ﾊｧｯ…ｯﾊｧ…ﾊｯ…(ｺｸｯ)」

嫌だと言いながらも、抵抗する力はないし、されるがままに点滴を受けるA。

口元では、いつもより少し多めに酸素を流されたマスクが白く曇る。

しばらくしたら熱も引いてくるだろうという先生の言葉に、一旦緊張が解けたような気がした。

「やだって…言った、ｯﾊｧ」

Dr.「うん、ごめんごめん。でも、ダルくなってでも、お仕事出たいでしょ？ん。ちょっとは楽になった？」

赤「でも良かったね、A。お仕事出れるって」

青「グズグズしないの。ほら、先生帰るって」

何かあったらすぐに電話してね、と言いながら帰っていった福澤先生をよそに、少しだけ楽になったのか、スヤスヤと眠りにつくA。

さっきまで、しんどくて全く眠れていなかったことを思えば、少しでも休めるならギリギリまで休ませたいところ。

赤「A、メイクこのままでいいの？」

青「本人が良ければ。つか並び順、A俺と慎太郎の間でいい？それなら進行の声も聞けるし、みんなのこと正面で見る形になるから…」

桃「オッケー。ちょっと大きめの声で話すね～」

黄「おい、起こすなよ」

福澤先生の言う通り、熱は少しずつ下がってきて、酸素だけは最後まで思うところまで回復はしなかったけど、大丈夫なレベル。

しっかり自分で歩くAを見て、慎太郎が“強くなったね”ってつぶやいた。