無限の未来 13th season (ページ13)

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613話ページ13

【慎太郎】

青「慎太郎、ここ出るまでどのくらい時間ある？」

緑「16:00には出るって」

青「シャワーだけ浴びてきな。今落ち着いてる？」

「ん…ごめんっ…」

今年も無事、千秋楽を終えることができた。

何度か本番中に顔を歪めるAが視界に入っていたかと思えば、足に痛みが出ていたらしい。

味わったことがないから、俺には分からない痛みだけど、相当痛そうにしていたのを何度か見たことがあった。

舞台上で顔を歪めるほどだ。

今日はどちらかといえば、酷い感じだったんだろうけど、そんな状態でも、最後まで全てを注ぎ込んだA。

「薬…飲む」

緑「痛み止め、効く？」

「うん、気休めでも…飲まんよりは多少マシ。今からまだお仕事せなあかんし…」

青「めっちゃ久々じゃない？」

「せやね…ずーっと、痛くてもズキってするくらいやったから…ｯﾀ」

最近では、幻肢痛の起きる頻度もかなり減ってきていて、起きても我慢できるくらいって聞いてた。

でも、最近は滝沢くんのことがあったりして、A自身、結構精神的に揺れてたから、久しぶりに出たのかな。

まだ余韻に浸りたいところだし、Aの足の痛みは残ってるようだけど、そろそろ行かないと、次の仕事が待っている。

「大丈夫。行ける」

緑「荷物、俺持つよ。樹、A支えてあげて？」

移動の車でも、Aは何度か顔を歪めていたけど、だんだん落ち着いてきたみたいで、樹にもたれて眠ってる。

その横顔を、安心した顔で、優しく見守る樹。

緑「樹、良かったね」

青「…さんきゅ。でも、Aがちゃんと前向いて、ここに留まれるまでは、まだゴールじゃねぇんだよ」

緑「大丈夫。きっと、上手くいくよ」

もしかしたら、ようやく苦しみから解放されたはずのAに、俺たちは少しだけ苦しい思いをさせてしまうのかもしれないけど、それでも、俺たちはAを離したくない。

ジャニーズの森本慎太郎になってから10年以上、ずっと近くにいた。

緑「俺ら、Aのいないジャニーズなんて…知らねぇもんな」

青「んだな…」

これから俺らが描く未来にだって、もちろんAはいてくれないとダメなんだ。