無限の未来 11th season (ページ7)

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507話ページ7

【北斗】

年末の歌番組で、ありがたいことに大先輩から指名をしてもらうことができた。

この上ないチャンス。逃すわけにはいかない。

中丸「7つの…不良演出を入れようと思ってて…っていう話したじゃない？あれって、Aいける？」

「いける？ってなんですか。やりますよ、大丈夫」

中丸「俺絶対、ジャニーさんに怒られるわ…」

青「や、それも覚悟の上で選んでくれたんじゃないんですか？」

慣れ親しんだ先輩と笑いながら、たった数分のステージに賭けるAも、きっと同じ気持ちだろう。

71公演を駆け抜け、無事に完走した時、Aは“少しはあの頃の兄さんたちに近づけたかな…”って、ボソッと、本当に小さな声で呟いたんだ。

その答えは、まだ何も言われていないけど…多分、俺たちの望むものではなさそうだ。

黒「ここで、こうなって…ここが…」

「ほっくん、ここってこう？なんかカッコよくない」

黒「や。ちょっと待って、足動かすよ？…こう」

「あー、う、おっけ」

最近のAは、何か確認をする時“カッコいい？”って聞くことが増えたように思う。

ありがたいことに、新しいオリジナル曲も次々に増えてきて、ようやく“俺たちのスタイルはこれだ”と思える楽曲にも出会えた。

そこから、俺たちのスタイルに自分をもっとハメたいって、そう言うようになった。

黒「JAPONICA STYLEで思ったけど、Aは多分こういう…和の雰囲気みたいなのが一番似合うね。衣装も然り。こういうのが一番カッコよくできる」

「ほんま！？やったぁ！Aも、あの曲一番しっくりくる」

こういう、些細なフィーリングが同じだと嬉しくなるし、最近はメンバーとこういうフィーリングが合うことも多くなってきた。

そんなことさえも俺にとっては喜びの種であり、それがコイツらと同じだったらって思ったり。

思うように、欲しい答えは出ない日々だけど、そんな中だって、進んでいくしかない。

迷ってる暇なんてないけど、1人じゃなければ、迷う時間も、ぶつかり合う時間も…傷を庇う時間だって必要だと、Aと一緒にいたらそう思えるんだ。