503話 ページ3
【樹】
今日はあんまり調子良さそうじゃないな、なんて思いながら横目にAを気にしてた今日。
見学に来ていた如恵留とわちゃわちゃと楽しんでいるのを見ながらも、その顔色の悪さに、俺は冷や冷やしている。
青「A、ちょーっとはしゃぎすぎ。夜公演あるからもうちょっと、ゆっくりしてて」
「えー…大丈夫なのにぃ…」
如恵留「やっぱりそうなの？ちょっと顔色悪いなって思ってたんだよね…」
青「ねぇ、今日ちょっとしんどいー？」
「…ちょっと」
のえくんと久しぶりに話してたのに…ってちょっと不服そうなAだけど、如恵留も心配してくれてたみたいで、ストップ。
如恵留は昔からAのことをかわいがっていたうちの1人。
妹のいる如恵留は、年下で人懐っこい、元祖末っ子気質のAとよく波長が合っている。
如恵留「ん、あれ？A、ここ開いてた？」
「あっちゃあ、バレたぁ〜」
最近、いろんな先輩やJr.のメンバーに、ピアス増やしたことを気づかれ始めているA。
別に開けるのは悪いことでもなんでもないんだけど、一発目開けた時のことを知ってる人は、やっぱり心配みたいで。
この間なんて、ジャニーさんに見つかって、2つ目開けたのは俺じゃないのに、なぜだか俺が怒られた。
まぁ、3つ目は俺が開ける約束してるけど、そんなこと言ったらジャニーさんに激怒される自信がある。
“YOUや菊池とばっかりいるから、Aが不良になっちゃったじゃない！”って言われた時には、さすがの俺も笑うしかなかった。
せめて勝利の素行を守っただけでも褒めてほしいくらいなのに。
如恵留「樹？A、ちょっと寝るみたいだし、俺そろそろ出るね。舞台、楽しみにしてるから」
青「さんきゅ。期待してて」
ヒラヒラと手を振って楽屋を後にする如恵留は、スーツを着た紳士でしかなかった。
もしSixTONES以外の…例えば如恵留たちといたら、Aの人生はどうなっていたのかなって、ジャニーさんの言葉を思い出しながら、そんなことを思った。
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作者名：かん。
| 作成日時：2020年12月15日 20時
